●気がつけば 10/29 sat.


秋も深まってきたなぁ、と思ったら
もう11月。

野でやっている「プーシキン美術館展」へ。
雨のぱらつく中、始まって間もないせいか人が多い。かきわけかきわけ観る。
目玉はマティスの金魚らしいのだが、私はもう一点あったマティスの花の絵がいちばん好きだった。あとはボナールと、版画もグッとくるものが多く、堪能して外へ。

不忍池へ寄る。もう花は終わっているけれど、蓮の葉のもりっとした緑が美しい。


さいきん、フランス語の勉強をしている。
教室に通いたいのだが、お金がないのでアテネフランセから出ているテキスト(これはいいです。)と辞書で。フランス語はとても響きがきれい。日本人にはあの発音がむつかしいのだが、赤子になったつもりで、鼻母音をくりかえし練習している。
あとはNHKテレビのフランス語講座を毎週欠かさず見て、司会の國枝先生とパトリスのキャラにかなり釘付けになっている。


そしてやたらに眠くて眠り時間が増加中。こういう時は眠ったほうがいいらしいので、こんこんと寝ている。そのうち、あちこち動きたくなるだろう。


●道にまよう 10/2 sun.

この間いつもの散歩コースと逆の方へ散歩に行ったら、思い切り道にまよってしまった。大通りにさえ出れず、軽い気持ちで家を出たのにデンジャラス3時間コースの散歩となった。
元の道を見つけたときのうれしさといったら!
しかし世田谷の畑には季節がら彼岸花があちこち咲いていて、なんだか泣きそうな気持ちになった。刹那。

最近やっと陽気も涼しく秋めいてきて、わくわくしている。なんだか秋はいつも胸騒ぎがする季節なのだ。そしてあほほど秋刀魚を食べている。今年の秋刀魚は美味しい。当たり年らしい。


このところ、絵を描くのがとても楽しい。夏は体力を消耗してあまり描けていなかったせいか余計に。今描きたい形がようやく見えてきたので、どんどん描こう。
このホームページにもアップしていこう。


9月の中頃、日比野克彦さんの個展「1人万博」を観に水戸に、あとペーターズギャラリーの祖父江慎さん嘉藤恵子さんのワンデースクールに行ってきた。

日比野さんは立体のテーマのある作品も体験型の作品もとても良くて楽しい気配に満ちていて、そこがまた好きだ。90年代の平面の作品がやっぱり気になって。
自由だなぁと思った。キラキラしていてこのキラキラの感じはなんだろう、と考えた。
祖父江さん・嘉藤さんのお話もとても素敵でキラキラしていた。
そしてまたこのキラキラの感じはなんだろう、とずっと考えている。

祖父江慎さん・しりあがり寿さんの本「おやじ国憲法でいこう!」おもしろかったのでぜひ。

●季節の変わりめ通信 9/11 sun

久しぶりの更新です。
その間何をしていたかというと、余すところなく季節の変わりめにやられていたとです。エアコンを入れないと、夏は生産的なことがあまり出来ないと判明。
でも夏はそれでいいんだと思う。


遅まきながら最近、ドラマ「トリック」にはまりそのDVDをぽーっと見たり、これまたはまっている細野晴臣さんの昔のアルバム(トロピカルダンディ、泰安洋行あたり)を聴いて南国気分になったりしつつ気圧の変化を乗り切る。

私は低気圧になると頭が重くなるのだが、なにも用事のない夜に雨の音を聞きつつ、のんべんだらりと酒をのみつつ本を読むのは好きだ。

この間、東京に記録的な大雨が降った日も、そのようにして買ったままにして置いておいたサガンの「ある微笑み」を読んだのだが、物語もきれいだし、同じ本を読むのにも完璧なシュチュエーションがあるのだなぁ、それは頻繁に訪れるものではないので、余計にいとおしいものだなと思った。


奇しくも今日9月11日は衆議院の総選挙。
今回は思うところがあってテレビで選挙速報を見ないようにしていたのだが、結果は自民党の圧倒的な勝利らしい。
人が忘れ去られた政策だけにはならないように祈る。

日本も、色々なものも今変わり目を迎えていると思う。
20世紀的な価値観の終わり。次のものを作り上げていくことは、一人一人にフィードバックされている。
毎日を、見過ごさずていねいに暮らそう。あらためて決心した秋の入り口だ。

●美しさのカケラ 8/20 sat.


さいきん暑さの中にも、秋の気配を感じるようになった。
季節の変わり目の空は、特筆すべき美しさだ。きょうの空もきれい。月も。

良い良い良い、といいつつ東京の町を歩く。
本日の目当ては銀座グラフィックギャラリーでやっている佐藤雅彦研究室の展示と代官山でやっている五味太郎さんの個展。


まずは銀座へ。
お昼を食べて腹ごなしに日比谷公園の方へ歩く。
お堀の柳が気持ちよさそうだったのでふらふら皇居方面へ。
青く茂る柳や、お堀の亀や鳥と戯れた後、皇居前の芝生のある広場へ。
皇居前の広場は芝生が広く植えてあって、大きな木が沢山その中にあって、何人かが影になった木の下で寝転んでいる。

私と友人も早速セミがワンワン鳴く大きな木の下で寝転ぶ。
気持ちよかった。広場は整えられていて、でも様式美みたいなのもなんかいいなぁ、と芝生の広場で思う。決してそこが美しさの最終地点だとは思わないけれど。


佐藤雅彦さんの個展は実際体験出来る「任意のP点」などはとてもおもしろかったけど、後は楽しそうな装置があっても「お手を触れないでください」というのばかりで少し消化不良。びっくりするほど大勢の人。
五味さんの個展はいつものカラーインクではなく絵の具で描いた絵が主で、絵に添えられた短い文章がもうたまらなくかっこよく、しびれた。
ご本人もトークショウでいらしていてこれまたかっこよかった。
あんな大人になりたいな、と思った。

妙に胸を張った鳩がいました。

●夏の過ごしかた 8/16 tue.


今年のお盆休みは東京で過ごす。

暑さをぬって恵比寿へウディアレンの最新作「メリンダとメリンダ」を観に。
今年観た中で一番よかったぁ!というタイプの映画ではないけれど、エスプリが効きまくってて、ラストも洒落ててよかったなぁ。
ウディの映画は好き嫌いが別れるのですが、神経症でうろうろしつつも人生にウェルカム!な姿勢がわたしはとても好きだ。


あとは上野の鈴本へ落語を聴きに。
柳家権太楼師匠と古今亭志ん輔がやはりさすが!で笑った〜。大満足。


今年の東京のお盆は、雨雲がおおい暑く、生産的なこともばりばりやる!予定が、思ったよりだいぶんゴロゴロしてしまった。(という訳で全面改装予定だったギャラリーは手をつけられズ。しばしお待ちを・・)


本も思ったより進まなかったけれど、風通しのよい公園へ行けばお揃いのシャツの、坊主頭の子供たちは競い合って木の上の何かを捕獲しようとしているのであり、セミは過ぎ行く夏をおしむ様にうるさいほどに鳴きわめいているのであり、やっぱ夏休みっていいなぁ、とキュンとしつつ落ちる汗を拭うのであった。

そうこうしている内に、暑さはかげりをみせて今日辺りはだいぶん夜が過ごしいい。

そうやっていい年をしても切ない夏休みの最終日は過ぎてゆく。
正楽切り絵風

●暑さならし 8/7 sun.

暦の上では立秋!でも夏本番の今日この頃。
今年は決意通りエアコンになるべくあたらないようにしているので、騒音にも負けず、窓を開け放し、日中はなるべく部屋にいないなど涙ぐましい努力の結果、結論。

時間はかかるけど、暑さというのは慣れますな。ある程度。
変に頭痛とか手足の冷えもないし、ノーエアコンライフ結構おすすめ也。


先週、日本橋ベイスギャラリーでやっている大竹伸朗さんの個展を観に行った。
1メートル×70センチの紙に描いたものばかりの展示で、ショックを受けるほどよくて、しばらく放心してしまった。
自分のやりたい事に、これだけ真摯にそして時間をかけて向き合える人がいるんだ、と思ってショックだったのだ。
かっこよかった。なんだか自分の小ささを感じて、でも帰っていつもより沢山絵を描いた。
わたしは自分のやり方を信じるしかないな、と当たり前のことを思いかえす。

最近描く度どんどん絵が変わっています。進化の途中。
近い内にギャラリーの絵を入れ替える予定です。お楽しみに!

NEWS*
「通販生活05秋号・読者のおすすめ本」のカットを描きました。定期購読の方は今月下旬、書店販売は9月15日の予定です。とてもいい感じに仕上がったので、見てみてくださいね!
夏至の日に描きました。ひまわり。

●ほっしゃん。 7/18 mon.(海の日!)

日曜日、ピン芸人ほっしゃん。の単独ライブ「緑亀」をルミネザよしもとへ観に行く。

ほっしゃん。は力みすぎていて、血走った眼でコントをやっていて、すべるものはきっちりすべり、ウケるものはしっかりウケていた。

そんなほっしゃん。は最後に、「力みすぎたり、かんだり、こけたりするのも含めて僕ですねん!」と言い放っていて、ジンときた。
一度ブレイクして、そして売れない10年を芸人で居続けて、最近やっと売れはじめたほっしゃん。だからこそ輝くセリフだ。
 

がんばれ、ゴーゴーほっしゃん。と最後は母のような気持ちになった。


梅雨明けのニュースを友づてに聞く。


今日はじわじわ暑い中を井の頭公園を散策。
梅雨は梅雨の花と空。夏は夏の花と空。秋になればまた違う景色。

沢山味わいたい。
一人でや、人と共有したりしつつ。
ビバ!毎日、ビバ!生活。ウェルカム、今日!とか言いながら。

●もうすでに  7/11 mon.


陽気は
夏です。サマー。
そして真夏日2日でもう早、夏バテ気味というていたらくだ。

そこで決意。今年はなるべくエアコンに当たらない!
上京して3年はエアコンなしで過ごしていたのだが、エアコンを買ったが最後、その甘い誘惑についつい軽はずみにスイッチを入れていた昨今。

でも考えてみれば、エアコンを使えば使うほど、来年の夏は暑くなるのである。
室内や車内は涼しくても、あったかい空気が室外機から吐き出されている。
ザッツ・矛盾。

ということで「便利」とか「快適」とかについつい流されずに、よぉ〜く考えてからスイッチに手をのばそう。扇げるうちはうちわを扇ごう。
と決意した梅雨明け前。


週末は目黒の民芸館へ行った。

建物のつくりや、家具がとても好みだ。窓が大きくて大きい木がそばにあって、風が流れている。最近、そういう贅沢さについてよく考える。
なにかを鈍らせたり、閉じてしまったりするのは嫌だなぁ。
そうしないと都市生活はやっていけないという声がしても、目を開いてちゃんと見たい。
そのためには何を捨てて、何をすればいいのか、いま模索している。
ささえられている

●7/2 sat.  そこつつづき。


4日ぶりぐらいの青空。
風があってきもちいい陽気。荒井良二さんの個展を観にトムズボックスへ。

荒井さんの展示はみる度に違った感じで、すごいなぁ、といつも思う。
どんどん進んで、作って、またこわして、作って、がんがん進む。
その枠を乗り越えていくバイタリティは、男の人特有の力強さだなぁと思った。
それは冒険と同じなのだ。たぶん。



井の頭公園の茶屋で友人とずーっとお茶を飲んだり、本を読んだり。たまに、話したり。ようやく重い腰をあげて美味しいパン屋さんめざして歩いていると、途中でものすごい夕焼け。



最近湿気のせいかぼんやりが増して、そこつつづきである。

楽しみにしていたほっしゃん。ライブも前日まで7/3と思い込んでいたら、2週間先だったし、アマゾンで本を注文したら住所の入力を間違えてしまい、なかなか荷物が届かないし・・ちょっぴりしょんぼりしつつもたくさん眠ったり、美味しいもの食べたり、綺麗なものみに行ったりしつつやり過ごすのである。
そして夏を待つ。

●湿気と笑いと 6/27 mon.


暑い。む・蒸し暑い。梅雨はどこへ消えた?とチーズはどこへ消えた?ばりにお天道さんに尋ねたくなる今日この頃。

今日は確実に暑くなる、そして雨は降らない、というお天気お姉さんの言葉を信じ今年初のサンダル履きで出かけた。

しかし、電車の中や会社、立ち寄った本屋でことごとく冷房にやられ、手の先が冷たくなりずっと長袖シャツを羽織りっぱなしだった。
冷え性で冷房に弱いわたしにはサンダル履きはむりなのか?
外を歩いている時はちょうどいいんだけどなぁ。
世のお姉さん達は平気なのかしらん。なんであんな高くてほっそいヒールでパカパカ歩けて、あまつさえ走れるのか?それは慣れなのか?
とキンキンに冷えた本屋店内で考えるのだった。

それにしても本屋はいいな、楽しいな。
とても面白い本を読んでいると、美味しい食べ物を噛みしめている時のような、深い満足感と喜びがある。あと日なたぼっこにも似ている。
今日は橋本治の「橋本治という生き方」という本を購入。


週末はピンポイントギャラリーで篠崎三朗さんの展示をみる。
「楽しんで描くのがいちばん。儲けてやろう、とかうまく描こうとした絵は絵を知らないお客さんにもすぐ分かっちゃうんだよ」などためになるお話をたくさん伺った。
後は中野でミヤコハンタープロデュースの笑いと映像のライブを観たり、末広亭で寄席に浸かったり笑いの多い週末。来週はR−1グランプリに輝いた吉本の芸人ほっしゃん。の単独ライブを観にゆく。
なぜこうも笑いにどん欲なのか、自分でもたまにハッとしてしまう。
そんな湿気の日々だ。
まるっと。

●世田谷ものづくり学校へ 6/18 sun.


梅雨の晴れ間はうれしいな♪とスキップしつつ三軒茶屋から歩いて、
世田谷ものづくり学校へ行ってきた。

前からいきたかったので、うれしい。
世田谷ものづくり学校は小学校の校舎をそのまま使った、アトリエやデザイン関係などの会社が入った空間。ギャラリーも、カフェもある。

窓を開け放って、エアコンなんてなくて、でも通り行く風がとても心地よい。
とにかく、空間が気持ちよかった。

色々な作品に刺激を受けつつ階段を歩いていると、素敵なハプニングが!突然MAYAMAXXが現れてビックリ!どうやら雑誌「みづえ」のワークショップに来ていたらしい・・ドキドキ。

そして、カフェでごはんを食べていたらまたもや目前にMAYAMAXXがドカッと座わり、一緒に行った友人と共に大好きなので固まりつつコーヒーを啜った。
でも、うれしかった!そして格好よかった・・。


そして、大好きな日曜美術館を見ていると、大好きな吉増剛造さんが蕪村の特集で出てきて、その美しい佇まいに画面に釘付けになる。
吉増さんは詩人だ。最近電車の中で、NHK出版から出ている「詩をポケットに入れて」という本をずーっと読んでいて、日本語の美しい響きに心あらわれるような気持ちだったので、喜びもひとしお。
吉増さんの美しい佇まいも、日本語も必見です。
機会がありましたらぜひ。

今日は素敵なハプニングがいっぱいあった。こんなハプニングならどんどん来い!
と小鼻を膨らませつつ、ビールを飲む。
教室の中からミッヒーがこちらをのぞいていました

●かたち作るということ。 6/11 sat.


梅雨入り翌日、池袋で「熊谷守一美術館20年展」と日本橋三越でやっている「北斎と広重展」をハシゴする。

お昼はムッとしていて、夜はグッと冷えた。
熊谷守一の絵は、対象物を見つめ続けた結果簡略化されて、覚悟のある潔い形ときれいな色彩で、とてもデザイン的だった。

その真摯なまなざしが絵から立ちのぼってきてひとつの佇まいを作っている。


人でごったがえす池袋を出て日本橋に行くと、週末で人もあまりいないし落ち着く。
古くからある町はいいな・・。
風通しがいいというか。


三越の浮世絵展は思ったよりも沢山点数があって見応えがあった。
西洋絵画の手法とは違う日本特有の自由な視点がとてもいい。浮世絵を見るといつもかっこいいなぁと思う。


ふたつの展示を見て、かたちについて考える。
一つの物や風景を見て、その中のどの線を活かすのか。そしてどういう形や色彩でそれを切り出すのか。「あなたにはそれがどのように見えているのか」
いつも対象自体にそれを問われているような気がする。
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