東京は。 6/5 sun..


いま東京は暑かったり寒かったり。
きょうは久々の晴れ間。オレンジに輝く夕日が美しい。
風邪をひいて数日寝込む。というわけで、今回は変則的に最近のダイジェストを。


●笑い。 5/29 sun.
兄夫婦とルミネザよしもとに板尾イツジ・木村祐一・千原ジュニアのトリオライブを観に。その名も「K・I・J」!
生・板尾さんを初めて観たが、あの「間」を生で体験出来ただけでも十分に幸せだった・・。
自分の人生の中で「笑い」が大きなウエイトをしめていることに改めて気づく。
それにはお笑いも含まれるが、ユーモアや冗談という要素がとても大きい。


●海へ。 5/28 sat.
最近ガラス吹きを習いだした友人と海でガラスに絵付けしたり、本を読んだりしようという事になり、千葉まで電車で行き、そこから九十九里まで友人の運転でドライブ。

新緑の房総は風が気持ちよくて、色とりどりの花や、土や緑の匂いですっかり生気を取り戻す。九十九里の浜辺は綺麗だった。
心地よく吹く風と、ゆっくりと流れる時間についてあれこれと考える。


●さいきん。
スパイクジョーンズの映像集を買ったので、最近そればかり観ている。
彼の視点が好きだ。いい音楽と共にある映像って素晴らしいな。
ビュースティボーイズと、今まで知らなかったファットリップというラッパーがとても気になった。
海で絵付けした風鈴
もうあじさいが咲いています。

●画材を買いに  5/22 sun.


画材を買いに吉祥寺に行ったので、観たかったたむらしげるさんの展示を観にトムズボックスへ寄る。

たむらしげるさんは昔から好きなアーティストだ。
十代で青林堂から出ていた「フープ博士の月への旅」というたむらさんの漫画を手にしてそれをずーっと大事に読んでいたのだが、ここ何年か本もたくさん出版されて、ファンとしてはうれしいかぎり。


たむらさんの作品に一貫して流れているのは、架空の世界や物の醸し出す不思議な浮遊感。そしてそこはかとないやさしさとさびしさ。
最近の作品はMacを使ったものが多かったですが、今回の個展は透明水彩で描かれた絵で、また違う味わいがあって素敵だった。
展示は今月いっぱいトムズボックスでやっています。


リブロでデビット・ホックニーの画集をみてぼんやりする。
あまりすごい作品や風景に出会うと、思考能力がストップし、頭の芯がズンズンしてぼーっとしてくるのだ。
最近のぼーっとショックは、ウォルフガング・ティルマンズの写真集と大竹伸朗さんの本、あとは今日作った豚肉ともやしの鍋だ。

ご飯は偉大だな。
そしてそんな単純な事に喜びを感じられる人間という生き物に生まれてきた事に、少しだけうれしさを感じる。

●続・東京を歩く〜そぞろ歩き 5/14sat.


黄金週間中はほんとうによく東京を歩いた。

あんまり歩きすぎて、しまいには腰が痛くなるほど。でもたくさん風に吹かれて、とても心地よかった。

後半は、富ヶ谷にあるルヴァンに行って、美味しすぎるパンとコーヒーに感動したり、復活した青山ブックセンター本店に行って足が痛くなるくらい本を選んだり、イデーに行って「働く」ということについて考えてみたりした。

先週の日曜日には、多摩川ベリであった、大好きな五味太郎さんのワークショップに参加してきた。

始まる前は、友人と河原に寝そべって本を読んだり、シロツメノクサやオオイヌノフグリやてふてふを観察したり、草の感触を楽しんだり。

ワークショップは行ってみたら子供連れの人が大半で、隅の方で大人3人できゃーきゃー絵を描く。段ボールを与えられ、ビリビリ破いて外で絵を描くのはとても気持ちよく楽しかった。
そして五味さんはあくまで子供に対等で、グラサン姿でかっこよかった。


今週の木曜日は原宿のラップネットでやっている、安斎肇さんの個展に。
安斎さんの絵はハッピーな気配と絵に対する愛に満ちていて、自由な線で、大好きだ。

展示はTシャツが多く、素敵だった。今月29日(日)までやっているそうなのでぜひ。
五味さんのワークショップでつくった段ボール画。

●東京を歩く 5/3 tue.


黄金週間中はよく東京を歩いている。
前からねらっていた聖路加の辺り、下北沢に今日は永田町〜神田まで歩いた。

私の好きな下町は、道に迷っても楽しい。
思ってもみなかったお店や風景に出会えたりして。
そしてあのごちゃごちゃした感じが生命力があり、歩いているだけで心持ち元気になるのだ。
不思議。

そうしてそういう町を歩いていると、東京っておもしろいなぁ、と思う。
こんな狭い中に色んな顔があって、色んな匂いがあって。
いつもは人が多い、空気が悪い、とブーブー文句を言っているのだが。

合間に展示をみたり、芝居をみたり。そういったことも東京の良いところ。
毎日どこかで面白い展示や芸能や映画が催されている。


今日は憲法記念日です。
ニュース23でも特集をやっていましたが、「憲法と平和を考える」というシンポジウムを見に行きました。
ぼんやりしているうちに、日本の憲法はどんどん変わろうとしています。
変わっしまって、こんなはずではなかった、と嘆くのでは遅いです。
まずは、知ることからだと思います。

先月号の広告批評の「憲法9条特集」はとても読みごたえがありおもしろかったので、興味のある方はぜひ。

●おひさま日和 4/23 sat.

誘われて井の頭動物園で絵を描こうの会に行き、動物たちを描く。

井の頭動物公園は思ったよりも大きい木がたくさん茂っていて、人もそんなにいなくて、よかった。

しばらく描いたあと、大きな桜の木の側のベンチで、落書きをしつつ友人ととりとめもなく喋る。久しぶりにゆっくりと時間が流れるのを、確かめつつ過ごす。ザッツ・週末!さんさんと降り注ぐ日差しを思う存分満喫。


最近会社の仕事が忙しく、そうすると顔つきがきつくなってくるので、むりやり週に1回早く帰って色んな物を観にいったりしている。(水曜日がベスト。)

先週行ったジム・ジャームッシュの「コフィ&シガレット」は素晴らしかった。ジャームッシュと出演者の人生に対する優しい目線がたまらなかった。

今週の金曜日はゴッホ展に行ってきた。
まとめて観ると、ゴッホの細やかすぎるほどの生真面目さがぐぐぐぃっとこちらに迫ってきて、切なくなり初期の頃の絵は正直苦手だった。
でも苦しんでつきぬけた最期の絵は画面のすべてがこれが俺の世界だ!という強さと輝きがあり、とてもとても素敵だった。
動物園で描いたにわとりの絵

●4/10 sun.  エターナルサンシャインと神宮前の桜


春になると、晴れがうれしい。いつもよりぽかぽか暖かくて、余計うれしい。

土曜日はお散歩日和。
神宮前の桜を愛でながら、オンサンデーズでお茶したり、ペーターズギャラリーのセツゲリラ展をのぞいてパレット仲間に久しぶりに会ったり、トリッペンで可愛すぎる靴を見たりする。


そのあと目黒へ行ってご飯でも食べつつ目黒川沿いの桜を愛でよう、ということになったのだが、中目黒の駅を降りるとそこは「お祭りだよおっかさん」状態だったのであり、それでボクらは静かに目黒川を歩きつつ人の少ない場所で目黒川に散る桜を見たのであり・・・。
夜になったらどうすんですか・・・。(寝るんです。)  


桜は、梅や椿に比べて、刹那的だと思う。散る美学というか。
闇に舞い散る桜の花びらはなんだか妖艶ですらあった。


日曜日は銀座へ「エターナルサンシャイン」を観に。

ジムキャリーも凄くよかったし、ケイトブランシェットも可愛かった!
ものすごく現実的でシニカルな視線なんだけど、ちゃんとセンチメンタルで切なくて、ビンゴ!な映画だった。

しばらく余韻をひきずって、銀座で美味しいビールを飲んだ。
茂みに桜の花が丸ごと落ちてすましていました

●山を登る。 4/3 sun.


さいきん、とみに思う。生きていることがすべて、絵を描くという行為なんだなぁ。

何かに、喜んだり、哀しんだり、何かをごまかしたり、直視したり、それによって絵も変わっていくし、ごまかしてる時はごまかしの、直視しているときは素のままの、状態が紙の上のどこかに残される。あたりまえのことだけど。


今ブリジストン美術館でやっている、印象派展を観ていてもそう思った。

絵によってその人の生き方がぜんぜん違うのが、立ち現れてくるようで、その差異がとてもおもしろかった。

たぶん、ボナールは優しい人、マティスは、ハッピーなのが好き、ピカソはちょっと真面目、など、勝手に想像してみたりなどして。


そして一足飛びに頂上には登れない。
OK!もう頂上!と思っても峰はまだまだ果てしなく続いている。続けていくことでしか、美しい景色は見られなくて、でも続けていくのはしんどかったりして、でも喜びも大きかったりして、一つ一つ足を踏み出して前へ行くしかないなぁ。
そして高く高く登って、そこでしか見られない景色がみたい。

今は登っていく過程を楽しみたい。
道々の景色を味わって、一歩一歩感触を楽しんで、次のポイントまで行きたい。
それをじれったく思うのでなく。

*近々ギャラリーの絵をたくさんアップする予定です。お楽しみにね!(アニメ風)

●3/28 mon.  密度の濃い1日。

きょうはチョイス大賞展のオープニングパーティへ、雨の降りしきる中、大崎へ。

少し遅めに着いたらもう授賞式は始まっていて、なんだか思ったより華やかで、カメラもいっぱいいて、ぽーっとしつつ授賞式を聞いている。

沢山の入選した絵達はそれぞれ違う額に飾られてかしこまっていて、とても素敵だった。

どきどきしつつ、勇気を振りしぼって、審査員の方などに持って行ったファイルを見て頂く。

一人一人が言ってくださる言葉がずしんずしんと身体に響いた。
それはさいきん、何となくもやもやと感じていた、自分の絵の中にある弱さや甘さで、けれど自分でははっきり、客観的には言葉に出来なかったことで、ぜんぶほんとうのことだったので、一言一言、目の覚める思いがした。

でも良い!という言葉も頂き、とてもうれしく、密度の濃い、いい一日だった。

絵を見てくださった方々、イラストレーション編集部の方々、ほんとうにありがとうございました。


お知らせ:第22回 ザ・チョイス大賞展は大崎のミツムラ・アート・プラザで3/28(月)〜4/22(金)まで開催されています。
私の絵も3点展示されています。ぜひ足を運んでみてください。


●3/18 fri.  こはる日和

午前中に用事で新宿をほてほてと歩く。
外は日の光に満ちて、乾燥具合もいい感じで、今年初めての沈丁花も見ることが出来、身体の中のわるい菌がコロンコロンと消えていくようで。ありがとうお日さま、ありがとう春!

わたしは冬が大好きなので、ほんとうはこの時期はさみしくて仕方ない。
恋にも似た気持ちで、夜になると冷える空気にキュッ、となる。


でも毎年この時期になると、うむ、1年、どんどん始まっていくぞ!何をしようかな、というワクワクとした気持ちが湧きおこってきて、ゆるやかに何かが動き始める。


それはだいたい梅の時期だからか、わたしは桜よりも梅の方が好きだ。

まいにち、通る道の梅の木を見ていると、少しずつ咲きほこる花の数が増えていく。今は、7分咲きくらい。

何も変わらないように思えても、時は確実に動いている。
まったく同じ空間がないように、まったく同じ気持ちもない。
それを、とてもうれしく思う。

●3/2 wed.  もやのなかには答えが


空の青さがだんだんやわらかくなってきている。
春に近づいているのだ。


湿気でくもったガラスのように、思考がぼんやりしてしまうことがある。

この間おひるに入ったお店で、窓ガラスがくもってぼんやりしていて、その向こうに木とか空とか人とかがぼんやり見えて、なぜかそれが少しいとおしい感じだった。

あんまり物が見たくない日は、人間の視線もこんな風になんとなく見えるぐらいがいいなぁ、そんで使い分けられるといいのに、と思った。
今日はぼんやりモードでなんとなくの日、とか、今日はちょっとくっきり見たいから標準モードで、なんていう風に。


でも、思考がたなびいてぼんやりしていても、光が差す方は感じられて、少しずつ答えははっきりしていって、そしてあるとき突然視界は開ける。
そんなようなものだ。だから心配しなくていい。



さいきん本屋ですごす時間が長い。
今日、友人にすすめられたアンリ・カルティエ・ブレッソンの写真集を見てショックを受けた。いつかあんな表現が自分にも出来るだろうか。
少しずつ、積み重ねていくしかないのだが、気が遠くなった。

瞬間は、日常は、美しい風景は、あっという間に過ぎ去ってしまう。
もっと、もっとシャッターを切らねば、そう思った。


●2/12 sat.  浮世絵・サンサーラ


晴天。友人とバカッ噺をしながら渋谷→原宿を散策。

まわりに写真を撮る人が多いので、友人達と出掛けると、2人だろうが、4人だろうが、大抵みんなカメラを構えている。
味な喫茶店に入れば、みんなそろって、たまには立ち上がったりしてテーブルの上の風景を撮っていたりする。お洒落なカフェでももちろんだ。

みんなカメラを構えて、ひんぱんに立ち止まり、撮影しながら歩く集団。
はたから見れば奇妙だろうが、本人達は、至極楽しい。

まだSO YOUNGな頃は恥じらいも多分にあったのだが、年を重ねるにつれ、どんどんそれもなくなりつつある。大切なのは瞬間さ!
(もちろん、無神経にではなく、失礼な場所やシュチュエーションでは撮りません)

原宿駅の側にある太田美術館に辿りつき、浮世絵を鑑賞。
太田美術館は靴を脱いでスリッパに履きかえて絵をみる。スリッパ履きが意外にリラックスして心地よい。

展示は美人画が多く、思ったより点数が少なかった。でも掛け軸にコラージュのように装飾された浮世絵や、美人画も趣きがあり、よかった。

風景もいくつかあり、やっぱり北斎・広重はよい!
北斎の水辺の向こうに山の広がる絵がいちばん気に入り、じーっと見つめる。
北斎ってパンクだ。

かまわぬで台所用ふきんなど買い、恵比寿に移動して東京都写真美術館でやっている「サンサーラ」という映画を観る。

フランスに住む一人の男が色んな国を旅する話で、視点やカメラワークや全体の話の作りはいままでにない感じで、後半はとても楽しめたのだが、最初はカメラが揺れているし殺伐とした感じで少し気持ち悪くなった。

が全体的には男と一緒に色々思考が動いていって楽しめる、という不思議な映画だった。やっぱり旅はいいな。
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