神との対話の方法


                                     神が宇宙の真理のような存在であるなら、私達人間はとうてい神とひとつにな
る事は出来ません。それは人間の心が、あまりにも、真理や正義や神とは遠い存
在だからです。
 しかし、神が愛という存在であるが故に、こんな私達でも、神に近づき、神と
ひとつになる事が出来るのです。      
 神は宇宙と人類を創造した、創造主としての立場で、全ての人の親の様な存在
です。親はいつも子供の事を心配し、子供の幸福を願います。子供を愛している
のですから。
 この、神と人間は親子であるという関係を利用して神に近づくのです。現在は、
私達の心が神を感じられず、いわば親子が離れ離れになっているみなし子状態に
あります。
正確に言えば、神は私達の状態を正確に分かっておられますが、私達は神が分
からない、そして神は私達を助けたくても助けられない。その原因を作ったのは、
人類始祖アダムとエバの堕落という行為だったのです。

いつでも神に呼びかける

 
 神を実感するようになるために、いつでも神に呼びかける、語りかけるという
事を習慣づけましょう。これは祈りでもあるわけですが、この時、ちょっとした
コツがあります。
 それは「私の祈りなんか、聞いてもらえるはずがない」とは絶対思ってはいけ
ないという事です。
 「神は私の祈りに必ず応えてくださる。すぐに応えられないのは、応えたくて
も応えられない何らかの神の御事情があるからなのだ。神は私の親なのだ」と、
確信を持って祈る事です。
人間社会の親子関係でも、ふてくされて、親が何かしてくれるわけがないと思
っている子供よりも、親は私の事を愛しているから、必ず願いをかなえてくれる
と思っている子供のほうがかわいいし、その願いをなんとしてでも叶えてあげた
いと思うのが親心です。
 それから、挨拶がきちんと出来る子は、親にとってはかわいいですね。ですか
ら、朝起きたらまず、「天のお父様、おはようございます」。食事の時も、「天
のお父様、いただきます」。外出する時も「天のお父様、行ってきます」。就寝
時もお休みのご挨拶。感動した時も、悲しい時も、「天のお父様」と心の中で語
りかけるのです。
 この時、言葉だけでなく、思いを集中させましょう。神は人類の親として、い
つでもどこでも人々の幸福を祈りつつ、見つめておられるのです。その思いの波
長に、自分の心を合わせる努力が必要です。
 神は、私の全生涯を見守り、助け、導いてくださってこられた。その事にまず、
感謝しましょう。生かされている事への感謝です。そして、祈りは自分の利己的
なものではなく、人の為世界の為、困っている人の為の祈りとしましょう。
 神が親である事を確信し、自分の肉親に語りかけるように、あるいはそれ以上
の気持ちを込めて、「天のお父様」と呼びかけましょう。

祈りによって、神とのパイプを回復する

       
 神が沈黙しているのではなく、私達の心が麻痺しているため、神の声を聞く事
が出来なくなったのです。しかし、完全に麻痺しているわけではなく、良心の声
という形でかすかに機能してはいます。ですから、ここを頼りにして、神とのパ
イプを回復させるのです。        
 日々の忙しい生活の中で、私達は、神の事をほとんど忘れて生活してはいない
でしょうか?もちろんお金が無ければ生きていけませんから、それぞれ必死に働
いているわけですが、ここでボタンの掛け違いが始まります。
人生の目的が神と人の為ではなく、自分の為であると、いくら成功してもお金
があっても、幸せではなくなり、最後には全てを失ってしまうという事になりか
ねません。
 私に生命を与えてくださった方はもちろん両親ですが、根本をさかのぼれば神
となります。ですから、私の人生には神の願いが込められており、その神の願い
を見つける事が、自分の人生の目的ともなります。
 心が何か虚しいのは、その神の願いに自分がまだ到達していないからなのです。
神は心の奥底に静かに語りかけています。1日に何度かは、この神の声に耳を傾
ける時間をとりましょう。私達の心は、お金や仕事や遊びや恋人の事で一杯で、
神が入ってくる余地が無いのです。
 まずそうした物をすべて忘れ、静かに自分の心と向かいあいましょう。そして、
自分の願いや要求を主張する前に、神は自分に何を願っておられるのか、何をし
て欲しいのか聞いてみましょう。
 旧約聖書の中に、預言者サムエルが、「しもべは聞きます。お話しください」
と言いましたが、神の声を聞く事が祈りの基本なのです。
 ある時間はかかりますが、神は必ず祈りに答えてくださいます。祈りに答えて
くださる神の体験を積み重ねる事で、生きて働いておられる神への確信を持つ事
が出来るようになります。