自分の価値の発見


                           自分はいったいどういう人間なのだろう?自分にはどんな価値があるのだろう?
自分にしかない個性は?自分の人生の目的は何だろう?
 これらの疑問は、誰もが青春時代に強く持つ疑問です。これらの解答はすぐに
得られるものではなく、生涯かかって探し求めていく課題のように思われます。
 しかし、自分自身の姿を発見していく積極的な方法もありますので、これから
ご紹介したいと思います。

人との出会いにより、自分が見えてくる


人間は自分の事を知っているようで、意外と知らないものです。これが自分だ
と思っている姿が他人に見えず、むしろ違う姿を自分だと言われて心外に思うこ
とがしばしばあります。ここに大きなポイントがあります。
冷静になって他人の目に映っている自分の姿の、良い点と悪い点の両方の姿を
収集分析してみてください。悪い点は以後注意する必要がありますが、良い点、
評価されている点に注目してください。
 「自分に良い面なんかあるものか!」と思っておられる人もいらっしゃるでし
ょうが、そんなことはありません。どんな人でも、隠された長所を持っているの
です。
 自分で嫌だと思っている短所も、違った角度で見れば長所ととなります。たと
えば、人付き合いの悪い人間の場合、裏表の無い真面目な性格で、数少なくても
本当の友と生涯付き合っていける人間として評価することができます。         
 自分の個性が見えてくれば、他人をうらやむことなく、自分に与えられた生き
方をちゃんとして、自分を光り輝かせればいいのですから。
 「なるほど、私はそういう点を評価されているのか」と自信が出てくるように
なります。そしてその良い点をもっと積極的にのばし、活用するようにしてみま
しょう。周囲の人からの評価を受けると、「やはりそうなのか」と嬉しくなって
自信が出てくるようになります。
 つまり人と人との関わりの中で新しい自分を発見し、その自分を育てていくの
です。ある段階まで成長すると、また別の人と出会い、更に新しい自分を発見す
るようになります。
 一人で部屋にこもり、テレビゲームや自分の趣味の世界だけに入っていては、
そうしたダイナミックな自分との出会いと成長はありません。人間は一人で生き
るものではなく、人に喜ばれて自分の存在価値を自分でも感じて喜ぶものだから
です。         

いろいろな経験をしてみる


 人との出会いとともに、いろいろな経験をしてみる、何でもやってみるという
のがとても大切です。これはアレルギー性喘息の原因を知るために、腕にアレル
ギー源を付けてみるのと同じようなものです。
 いろいろな経験、スポーツや芸術やアルバイトや人間関係の中で、「これだ!」
と心に感じるものが必ず出てきます。それが自分に与えられて個性であり、価値
であり、磨いていけばやがて天職となるものかもしれません。
 自分でできる経験には限界がありますから、テレビ番組を見たり本を読むこと
も必要です。
 心に何かこみ上げてくるもの、感動するもの、自分もそうなりたいと思う尊敬
する人物などが現れてきたらしめたものです。 
 自分もこのようになりたい、こういう個性の持ち主になりたいと思ったら、今
度はそのイメ―ジを強く意識し、「自分はそういう人間になる」と決意し、日々
の努力を積み重ねるようにします。意識し、行動し、努力を積み重ねると、人間
はそうなることができるのです。

自分を好きになる

  
 目標とする自分が見えてきたら、その自分を好きになりましょう。誠実、愛情、
親切、勇気、努力、才能などの特徴は、それこそ世界中で自分一人にしか無い個
性であり、神から与えられ宝であり、たまものです。
 そのたまものを、神から与えられたものとして大切にするのです。
 他の人にはまた別のたまものが与えられています。本人がまだ見いだしていな
いだけかもしれません。自分の才能に自惚れ、他人を軽蔑するような人は、本物
になることはできません。
 神から与えられた個性であり、たまものであればこそ、真剣に磨き、努力して
輝かせようと思うようになります。謙虚になれますし、他人の個性も尊重できる
ようになります。      
 また、神への祈りも真剣になります。
 「神様、あなたは私に何をせよと願っておられるのですか?私のすべきこと、
目指すべき姿を教えてください。
 あなたが願う人間とならせてください。そこでこそ、本当の私の個性が光り輝
くことを知っていますから」        
 神は必ず祈りに答え、導いてくださいます。