はじめに


 私は2003年8月16日午後6時頃、「パパ!」という言葉を残して突然倒

れてしまいました。くも膜下出血だったのです。すぐ救急車で近くの大学病院に

運ばれましたが、手術もできない危険な状態で意識もなく、数日後に医師から脳

死に近い状態と宣告されてしまいました。

 愛するパパや子供たちに何も語ることもできないまま、8月26日午後7時

52分に心臓停止となりました。しかし私の思いをパパが感じてくれて、私がど

こか遠い世界に行ってしまったのではなく、いつもパパや子供たちと一緒にいる

ことを、私の気配で感じてくれました。私の存在に気づいてくれたことが嬉しく

て、時々パパや子供の夢の中に入って会話したり、大切なことを教えたりするよ

うになりました。

 なぜそんなことができるのでしょうか?もともと私は霊的ではなく、夢も見な

い人間でしたし、パパも特別な人ではありません。言えることは、今は霊界と地

上がとても近くて、思いさえあれば神様の恵みの中で、簡単に通じ合うことがで

きる時代に入ったということではないでしょうか。

 パパはこの2年間の私との、それこそ霊界と地上界での共同生活で、「死は終

わりではなく、永遠の愛の世界への入り口であり、希望であり喜びでさえある。

夫婦は永遠に愛し合い一緒にいることができる。地上世界は実は霊界と表裏一体


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の世界である」という確信を持つに至りました。

 そして、私の死に直面した時の悲しみや苦しみ、葬儀の時、私の魂が喜んで昇

天していく姿を見た驚き、その後私との魂の会話の中で感じた平安や希望、愛、

夫婦は永遠に一緒にいられるということを書きとめるのが、まず自分の当面の使

命であると感じるようになりました。そうして私の手となって書きはじめたのが

この原稿です。

 平凡な主婦の死という、きわめて個人的な内容ですが、死はすべての人にいつ

かは訪れる厳粛な事実ですので、皆様にとって何かの参考になれば幸いです。

 私は、愛するパパや家族といつも一緒にいます。ずっと一緒にいます。そして

皆様のおじいさんやおばあさん、あるいはご家族の方で亡くなられた方も、私と

同じように皆さんといつも一緒にいて、皆様を守っておられることを忘れないで

ください。

                         2005年8月26日

                               酒井敏江

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