第9章 永遠の世界


神様は、人間を子供として創造されました。神様は霊的な存在ですから、当然
人間も霊的な要素を魂として持ち、神様が永遠であられるように、人間も永遠
に生きるように創造されました。ですから、一人ひとりの魂は永遠に生きる
ようになっています。
神様は現実の万物世界を人間に治めさせようと願いましたから、万物と同じ
要素を持って人間を作りました。聖書には土のちりをこね、そこに息を吹き
込んで人を作られたと書かれています。
万物は、ある期間を過ぎれば朽ちるようになっていますから、人間も地上の
寿命をまっとうすると霊界に行き、神様とともにいる天国生活に入るように
なっていました。ですから、本来死は、悲しいことではなく、永遠の人生へ
の出発の喜びの日ということになります。
ところが人間の堕落により心の中の霊性が失われ、親である神様を感じること
ができなくなり、霊界も見ることができなくなってしまいました。そのため、
死は悲しいものとなってしまったのです。

身近で亡くなった人の遺体を見た時に、私の知っている人はここにはいない、
いったいどこに行ってしまったのだろうという不思議な気持ちになります。
魂は、肉体を離れて別の世界に入っているからなのです。
従来から宗教では、死後の世界を説き、霊能者と呼ばれる人は、死者と交流し、
その思いを地上に伝えています。お盆には死者の霊が家に戻ってくるというのは、
日本人の慣習的な意識にまでなっています。

死は、残された家族にとっては辛く悲しいものですが、そこに向かって行く者
からすれば、辛かったこの世の病気や貧困や不安な人生を終えて、安心な親元に
帰る喜びの時です。親である神様がコントロールできる世界に入るからです。
大きな川を渡るとお花畑が開け、亡くなった親や親戚が迎えに来ているとか、
光のトンネルを過ぎるとまぶしい光の世界になり、とても美しい音楽が聞こえて
くるという世界に入るのです。これが極楽とか天国とか呼ばれる世界です。

このことを確信できれば、死は怖いものではなくなります。天国は、夫婦が基準
となる世界です。夫婦の愛が永遠に続く世界ですので、地上で仲の良い夫婦に
なっていないと大変です。

今から夫婦がしっかり向きあって、生まれ変わってもあなたと夫婦になります
という愛を確立させてください。天国は愛を中心とした世界であり、地上生活は、
私の愛の人格を完成させるためにあるのです。

私は霊的能力をそんなに持っていませんので、霊界を見てきたという体験はあり
ません。でも、教会員にとりついた霊と問答をしたことがあります。また、霊能者
と呼ばれる人が除霊をする場所には何度も同席し、確かに霊が出て行き、憑かれた
人が元にもどったり、病気が治ったりするのは目撃しています。
これらの霊能者の話や、近似死体験(死んだはずなのにまた生きかえる)などの
例が本になっており、共通点が沢山あります。

それによると、

死後数十日間の予備期間の後、地上と霊界を隔てる大きな河を渡ります。この河を
渡る前に、後ろから自分の名前を呼ぶ声が聞こえ、生き返ったという人もかなり
います。

霊界では、自分の心のレベルにあった空間、場所を自分が自動的に選びます。

肉体がないため、心がそのまま体を作り、悪い思いをもっている人は醜い体、色と
なり、恥ずかしくて明るいところ(神様に近いところ)には行けません。
悪人は悪人が集まる暗いところに集まってしまいます。そこに閻魔さまのような
存在がいて審判するのではなく、自分の良心が自分の地上での悪行の数々を告発
します。その苦しみがはてしなく続くことを、仏教では針地獄とか血の海の地獄
とか表現しています。

自分が地上で行ったことは、魂がすべて記憶していて、その一つ一つが思い出され
てきます。

夫婦でも、本当に愛しあっていなければ、同じ所にはいません。
自殺者は、地上で与えられた使命を自ら放棄したということで、暗い世界にいます。
しかし、映画「奇蹟の輝き」にもあるように、いつかは自殺者も救われます。

「こんなことなら、もっとまじめに生きればよかった。自分の子供に現れて、この
ことを伝えたい」と思っても、霊界から地上に働きかけるには、さまざまな手続き
と原則があり、簡単にはできません。

地上に行っても、地上の家族には霊の姿は見えず、声も聞こえません。

地上人が正しい生活、神様に向かう生活をして欲しいため、背後でさまざまな働き
をします。過去、地上で悪い生き方をしていた霊人は、苦しくてなんとか助けて
欲しくて、地上の子孫に気がついて欲しいため、痛みを与えたり、事故を起こしたり
することがあります。原因不明の病気は、こういう場合が多いのです。

 先祖に対して恨みを持つ霊、例えば戦争で殺された相手側が、地上に働いて病気や
事故などの苦しみを与える場合もあります。大きな戦争後の供養は重要です。

先祖や芸術、学問の先駆者が地上人に働くことが多く、「協助霊」と言います。

一人の地上人に何十、何百人という協助霊がついています。我々が地上でやっている
ことや性格などは、ほとんどが協助霊に影響されていることが多いのです。自分の
感情や欠点、癖はほとんどがここにあります。

ですから祈りの中で、自分の先祖や、自分に働きかける霊に語りかけ、神様のことを
伝え、彼らの方向を正してあげなければなりません。同時に感謝もし、自分が神様に
向かって正しく生きることにより、あなたがたも必ず救われると説明してあげなけれ
ばなりません。

地上で夫婦となっている人は、先祖がどこかで出会っていることが多いのです。恨み
の先祖の場合も多いのです。二人が仲良くなることで、先祖の課題を清算することに
なります。

霊界は、一番下の地獄と呼ばれる暗い場所、どんよりしていて普通の人が行く中間霊界、
宗教者や功労者が行く高級な霊界などがあります。それぞれ、地上への善の協助を
ポイントとして評価され、一歩ずつ高い霊界に上がることができます。

最高の霊界、いわゆる楽園は、神様を光にたとえることのできるような世界で、明るく
暖かく愛に溢(あふ)れています。イエス様やその弟子たち、高名な宗教者、天使たちが
おり、そこに向かって進んでいる人たちを教え、助けています。悪人にはこの霊界は
明るすぎてまぶしくて近寄れません。

こうして、過去霊界に行ったすべての人々が、神様のおられる天国をめざして進み、
最後に地獄は空になります。そしてサタンも神様の愛を受けて許され、天使の姿にもどり
神様の天地創造がようやく完結することになるのです。