日頃からの死への準備




 死は、恐れられ、話題にすることを避けられています

しかし、死は100%の確率ですべての人に必ず訪れます。それにもかかわらず、

自分が死ぬことはないだろう、家族が死ぬことはないだろうと思っています。

そして急に病気で死の宣告を受けたり、不慮の事故に巻き込まれると、

「なぜ自分なのか!なぜ私の家族なのか!なぜそんなことが起きなければならな

いのか!」と怒りの感情となります。やり場のない怒りを、敵意やうらみでぶつ

けます。

 末期患者の心理状態を研究した、エリザベス・キューブラーロス博士は、著書

「死ぬ瞬間」の中で、死へのプロセスの5段階として、

1.否認 2.怒り 3.取引 4.抑うつ 5.受容 をあげています。

 現代の高度医療は、死の瞬間を集中治療室でたった一人で機械の中で迎えなけ

ればならないという、非人間的な状況となっています。あるいはガン告知をして

いなかったために、家族は最後の大切な話が出来なかったなどという後悔もあり、

家族の見守る中でおだやかに死を迎えるということが難しい環境となっています。

 あなたが、突然の急病で倒れた時、あるいは不慮の事故に巻き込まれて、死は

避けられない状態になった時、あなたに困ることはありませんか?

 事故に巻き込まれて、身元を特定できる携帯電話や運転免許証も無くなった時、

あなたを特定できる歯の治療データやDNA資料などがありますか?

 財産、借金、銀行口座の暗証番号、各種保険などの書類、パソコンのデータ、

パスワードなどは、あなたに万が一の事態が起きた時、信頼できる家族が全部分

かって処理できるようになっていますか?

 家族とけんかしていて和解しておくべきだったということはありませんか?

家族や親しい友人への感謝の言葉を定期的に書いておきましょう。

あなたの死を伝えなければならない親、兄弟、親戚、友人などのリストは、残さ

れた家族は分かっていますか?

 葬式のやり方、お墓の問題、財産相続などの問題は、はっきりしていますか?

 残された家族が最初に困る問題が、葬儀に使う写真です。笑顔のすてきな写真

はネガを含めてありますか?



これらは定期的にチェックし、しっかりと準備しておきましょう。

戦場に向かうアメリカ兵は、必ず残された家族に遺書を書いてから出発していま

す。それから、毎年正月に遺書を書いていた著名人がいました。これから1年後

に死ぬと思えば、あらゆる準備をし、日々真剣な生き方をすることが出来るはず

です。家族や友人にも優しくでき、感謝の言葉もかけることが出来るようになり

ます。それで1年間生き延びることができたら、もうけものと思い、また次の1

年たったら死ぬと思って生きましょう。