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 1 白内障は健診で見つかりにくい?
 健康診断や人間ドックで見つかりにくい病気として白内障が挙げられています(「日本経済新聞」2005年4月17日
。これは従来の健診では完全矯正視力(用語16)を測れなかったためです。本法は手順が簡単(コレクトスコープ説明)なので健診でも実施でき、視力低下を検出して眼科へ紹介すれば、白内障を見つけることができます。本法を用いれば見つけられるのは白内障だけではなく、視力低下をきたす病気すべてです。このことは受診者にとって幸せなことであり、健診やドックの価値を高めることになります。

     
 2 ドック眼底写真判定   (眼科医向け)
 人間ドックの眼底写真を読んでいる眼科医のなかで、「眼底に異常があるように見えるが、視力はどれくらいあるのだろうか」とお思いになられた方は多いと思います。ところが、ドックのカルテには日常視力(用語18)は書いてありますが、完全矯正視力
は書いてありません。それは、ドックでは完全矯正視力を測ることができないからです。ドックの受診者は多くの検査を受けなければならず、視力検査はその中のひとつに過ぎません。従って、完全矯正視力測定のように多くの時間を食う検査は割愛せざるを得ません。また、完全矯正視力測定技術を持つスタッフがいません。しかし、コレクトスコープを用いて検査すれば、これらの問題をクリアして完全矯正視力を測ることができます。

      3 就学時視力検査は面倒? (親御さん向け)
 就学時には全員に視力検査を行うことが義務付けられていますが、検査を怠っている自治体があるようです(2009年10月9日、朝日新聞)。記事によると、「横浜市や川崎市は幼児の視力検査は時間がかかることや、親から提出してもらう事前の調査書で視力の問題の有無をチェックしていることなどを理由に、実施していなかった」とのこと。しかし、片目が見えなくとも、両目を開けていれば不自由なく動けるので、外見からは分りません。また、視力値が分らないので、視力低下があるのかないのか、分りません。「子の行動を観察するだけではダメだ」といわれても、親としては困ってしまいます。では、どうしたらよいのでしょうか。解決法は簡単です。子が視力検査に慣れ、協力してくれるようにすることです。そのためには、予め親が子を指導するようにします。これは大変な労力を要することではありません。手すきの時間に、子の機嫌の良い時を見計らって、何回か練習すればよいでしょう。
 弱視は早く見つけて、早く治療するほど治療効果が大きいことが分っています。3歳児健診で視力を測るので、2歳半になったとき、家庭で視力を測ってみてはいかがでしょうか。→幼児視力カード
 近視の場合ははっきり見える距離が必ずあるので、弱視になることはありませんが、遠視の場合には遠くも近くもはっきりとは見えません。弱い遠視の場合は自分の調節力を用いて遠くをはっきり見ることができますが、強い遠視の場合には自分の調節力では間に合いません。視力矯正用の眼鏡を用いる必要があります。放置すれば弱視になります。

    
  4 幼児の家庭での視力検査で0.5m視標を用いる理由 
 幼児視力カードは家庭・保育園・幼稚園で容易に幼児の視力を測れるように作られました。3mも離れていると幼児の注意を引きつけるのは難しいものです。親が0.5mの近くにいれば、子は注意を向けてくれるでしょう。0.5mの近距離では近視を見逃す恐れがありますが、近視は弱視にはならないので心配無用です。反対に、遠視(前項参照)の検出には有利に働きます。