(2)1998年 イタリア(1/8)

1.プロローグ

97年のアメリカ出張以来、飛行機に対する興味がまたぶりかえしたよ うだ。今度は「興味はあるけど乗るのは恐い」ではなく、「乗ってみたい」 である。

何気なくネットサーフィンをしていると、ある航空関係のWEBページ で98年に香港の啓徳空港がなくなってしまうこと、「香港カーブ」 で有名なあの着陸方式がなくなってしまうことを知り焦った。また 更にこのページの筆者は啓徳空港にすごい思い入れがあること、キャセイ パシフィック航空(以下、CPAまたはCXと表記)でいろいろとすごい経験をした ことなどについても書いている。しかも彼はCPAでヨーロッパまで行 っている!更に、別の航空系のホームページでもCPAのフライトでいろいろ といい経験をしたことについて書いている。
私も前に1回CPAを利用したことはあったし、香港乗り継ぎでヨーロッパ へ行けることは聞いていた。日本-香港ではCPAのフライトを味わうにはあ まりにも飛行時間が短すぎる。昔に見た機内誌のルート図を思い出してい つかはCPAの長距離フライトを利用してみたいと思っていた。が、彼らの WEBページを見て、余計にCPAを利用したくなった。

啓徳は私が家族で海外旅行をした時も利用しており、思い出の場所である。 香港カーブが如何にすごいか経験したい、啓徳独特なわさわさした空気も 吸っておきたい。が、特に香港に行きたいとは思っていなかった。 また一方で南周りでヨーロッパ方面へ行きたいという要求もあった。特に場 所にこだわっていなかったが、治安だけは確保されていることは条件である。 私の希望としては第1希望が香港経由のCPA、第2希望はシンガポール経由の シンガポール航空(SIA)だった(チャンギは「アジアの空の十字路」と言われ るし、快適な空港らしいので行ってみたかった。それに、SIAの評判もいいし)。 でも自分だけで行くのも不安だったのでツアーであることである。

で、駅の旅行センターや代理店でまず、南周りで行くヨーロッパツアーを 探したが、これがどこにもない。ましてやCPAやSIAなどどこにもない(格安航 空券だとCPAやSIAのヨーロッパ行きがあるのにね)。私が家族で行った時は南 周りであったし、アンカレッジ経由やシベリア経由のヨーロッパ便が貴重だっ た時代は南周りのヨーロッパツアーは結構あったのかもしれないが、今は全て の便がシベリア経由でアンカレッジ経由の北極越えフライトですらない(とい うか、今はこんな便がない)。目的地までの飛行時間は短くて便利な方がいい のだ。

で、「あーぁ、南周りのヨーロッパツアーなんてないのか。CPAのヨーロッパ 行きなんて、エアオン旅行者だけの特権かぁ」と諦めた表情でAB-ROADを眺める と、何と日本旅行がCPAで行くヨーロッパツアーを出してる!しかも添乗員つき である(^o^)!で、早速そのAB-ROADを買い、ツアーの日程を調べてみた。慣れ ない旅行で現地で災難に巻き込まれることは避けなければならない。治安の悪 そうな場所なら自由行動の時にホテルでのんびりしてもいい、観光はみんなで バスでまわったのだから、そういうことから自由行動は半日でなく、まる1日 がいい。そうすれば親を説得しやすい。そう思って探すと、イタリア行きのツ アーに絞られてきた。で、AB-ROADに載っていた連絡先に葉書を出して資料請求 を行ない、親に説明をした。最初はイタリアということで反対されたが、自分の 立てている対策について説明し、何とか理解してもらえた。

早速、新橋にある日本旅行(このツアーは新橋支店が扱っている)に行き、ツ アーの申込を行なった。係員は「アジア系航空会社で南周りのフライトになるけ ど、いいですね?」と了承を求めるので、勿論OK。当たり前である。そうでなか ったらそのツアーには最初から申し込まない。だがこのツアー、最低催行人数が 15人と決まっているのだ。申し込み時の人数は確認したが、このツアーがキャン セルになるのではないかと思い不安だった。が、希望の日付で申し込むとこれに 引っかかってしまい、ツアーキャンセルに。「エーッ!」と思ったが、係員は 「では、この日の出発日で申し込むけどいいですか?」と尋ねてきた。その代わ り出発日の都合で旅行代金は3万円値上がりする。この出発日に申し込んでいた 客の中には旅行自体をキャンセルした人もいたが、啓徳はこの機会を逃したら2 度と行けないのだ。CPAヨーロッパ行きもやっとの思いで見つけたのだ。そんな ことには替えられない。このツアーでないと困るのだ。勿論OK。

事前にCPAの時刻表を入手することができたので香港-ローマのフライトがどんな ものか調べてみた。香港-ローマには週4回、CX293という便が飛んでいる(当時)が、 時刻表を見ると何と、CX293は98年の4/20から4/30までは普段飛んでる火曜日の代 わり、月曜日に飛ぶという。ということは、ローマ入りはCPA以外の航空会社であ ることは確実である。同じ旅行代金でCPAに加え、CPA以外の航空会社も楽しめるの である(^o^)。1つでも多くの航空会社を体験したいと思っていた私にとっては、 まさに棚からぼたもちである(^O^)。やっぱ、3万円払った価値はあったかな。 日程表が届くまでの間、時刻表を見ながらCX271でアムステルダムに入ってそこから KLMなのかな、とかいった具合に、ヨーロッパのどこで乗り継ぎになるか、乗り継ぎ 便はどの航空会社になるのか非常に楽しみだった。もしかしたら帰りもどこかで乗 り継ぎかなぁ。
で蓋を開けて見たら香港からはCX251でロンドンに入り、ロンドンからはBA(ブリテ ィッシュ・エアウェイズ)560でローマに入り、帰りはローマからCX293で直接香港 入りだった。ちょっと予想が外れたかな。

更に「棚からぼたもち」だったのは、このツアー、関空出発でしかもその費用は 旅行代金込みだったのである。国内の移動は飛行時間も短く、JALかANAかJASしか 選択肢がないので、それ程ワクワクはしなかったが、私の誕生日と同じ9月4日 (歳は勿論違うが)に生まれた関空(KIX)に行くことができる。KIXは1度行って見 たかったが、私のような根っからの関東人にとってはなかなか行く機会に恵まれ ない。絶好の機会だ。


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