2001年シンガポール(1/8)

長年の夢だった初のIATA PEXでの欧州個人旅行(旅行記は作成していない)を終え、 通常業務に復帰した私はいつもと変わらない生活を送っていた。やっていることは出発 前と全く変わらないのだが、自分にも何だかわからないが、この旅行に出かけて得た ものは非常に多かったと思う。

今年のGWは特に何も計画を立てていなかった。我が社の今年のGW休暇は9日間あっ たが、最初の2日間は出勤が入り、残りの7日間は休みは取れたが、既に3月に旅行 しているし、例によって旅行代金が高いのでどこにも行かなかった。ただ、親はこの 連休の間どこにも行かなかったことが欲求不満を引き起こしていたようで、箱根の湿 生花園に行くことになってしまった。自分は当初、そんなに興味はなかったが、行っ てみるとなかなかいいところだった。親は水芭蕉を期待していたようだったが、シー ズンは終っていたようだった。

GWが終った後はまたいつものようにせわしない日々を過ごしていたが、もし夏休み にどこかに行こうと思ったら、もう行動を始めなくてはならない時期である。何気 なく我が社の夏休みの予定を見たところ、今年は8/5から15までとある。例年の長 期休暇ではいつも旅行のハイシーズンでしか休暇が取れないが、今年の夏休みは少し 毛色が違って、ハイシーズンになる手前から休みになる。今後、オフシーズンに休暇 を取るのが難しくなることが想定されることを考えると、これはチャンスである。 特に夏は暑さでダラダラした日々を送りがちであるし、長い休み、毎日を無為に過 ごすのも実にもったいない話である。こんな訳で今年の夏休みはどこかに行ければ いいなと思っていた。夏休み用のツアー広告が出されるGW明けになると、とりあえ ず数箇所の旅行代理店をまわり、パンフを集めておいた。

問題はどこへ行くかということだった。今回は休みが長いので時間的制約は少ない が、いくらハイシーズンからずれているといっても夏休みの時期。そう極端に安く なる訳ではない。親はいつも私の長期休暇になると「この休み、どこか行かないの」 と不満げな顔を示すこともあって、前々から親をどこかに連れて行こうと思ってい た。ここのところ自分ばかり出かけているし、1度は親を海外に連れて行きたいと は思っていたが、この時期に2人分の旅費を出すのは相当の負担になる。2人で 行くとなると最低20万以上の負担は覚悟せねばなるまい。今後の計画のことも考え ると今回は慎重にならざるおうえないだろう。

行きたいところ、やりたいことはいくつかあったが、今回は予算はあまりかけたく なかった。というのは今後、親を海外に連れて行く時のこと、また、再度欧州への IATA PEX旅行もやってみたい、という気持も少なからずあったから貯金をしておき たい。夏の欧州行きは格安航空券やツアーであってもとんでもなく高いし、あまり メリットがあるようには思えない。

何気なく私は4月号のOFCタリフを眺めていたところ、非常に気になる記述を見つ けた。CXが出しているシンガポール行きZONE PEX(21日前APEX)が8/4〜6出発で95000 円(月、火出発なら更に3000円安く92000円)というものである。これは実に魅力的な 価格だろう。旅行の計画を立てる時には全く気づかなかったが、後で調べてみると シンガポールへの直行便を持っている航空会社はどこもCXよりも安いZONE PEXを出 している。似たような出発日/条件のAPEXで85000円(8/4のみ87000円)というし、UA は84000円、NWは何と69000円(!)。あのSQだって便と曜日を選べば90000円を切る。 JLもSQと似たようなものだ。ZONE PEXの価格設定が自由にできるのは日本から直行 便を持っている会社に限る、という話を聞いたことがある。ZONE PEXの値段はどの 会社もそんなに変わりがないと思っていたが、各会社でこんなに差があるとは、ま た、直行便を持っている航空会社のZONE PEXがCXと比べ、こんなに安いとは思っても みなかった。いや、東京発着に限れば、シンガポールへの直行便を持たないのにも 関わらずZONE PEXがある航空会社はCX以外ないような感じだ。知らなかったとはいえ、 価格面だけを取れば直行便のないCXは、これらのシンガポール直行便を持つ会社に 比べ、非常に不利だろう。
しかし、このシンガポール行きZONE PEXに限らず、そもそもCXのチケットカバーが 欲しいからCXに発券してもらう、という話はもともとあった話だ。自分がCXを気に 入っているからそのフライトを楽しみたいということもあったかもしれない。でも、 CXのフライトを楽しむことが主目的だとしたら、自分は何もNRT-HKG-SINのような 短距離便を選ぶことはしない。欧州行きのようなロングホールを含む行き先を選 ぶだろう。

自分がわざわざCXを選んだ理由での決定的な点はフライトスケジュールが自分の要求 にぴったり当てはまっていることだった。東京からシンガポールへの直行便はどんな に現地への早い到着便を選んでも17時半頃(JL719)、最悪1時過ぎである。CIQを済ま せ、ホテルへ向かうのが夜になることはどうしても避けられない。シンガポールがど んなに治安が良いといっても、日没後に町中を1人で歩くことは絶対に避けたい。し かも慣れない場所である。前回シンガポールへいった時はツアーだったが、あの時は 送迎があったから、条件は全く異なる。送迎があってさえも、空港からホテルまでの 移動の間、また自室へ案内されるまでの間、非常に不安を感じた。あたりに女性がい なかったからなおさらである。また、17時半着の便に乗ろうと思ったら、前述のJL719 の場合、NRTを11時半に出なくてはならない(同じような時間帯に到着する便にTPE経由 のSQ987があるが、これは更に厳しく9時半発)。それだけ自宅の出発時間が早くなるし、 さまざまな面で負担が大きい。
日没前にホテルに入らなくてはならない私にとっては、たとえ航空運賃の高い午前便 であってもNRT発のこれらのシンガポール直行便は全く使えない。SQ987はNRTの出発 時間が早すぎるし、そのために成田で1泊することになれば、いくら夜便と航空券上 の値段は安くても、その宿泊費等でかえって高くなってしまう。

その点CXは違っていた。曜日は限られるが、夜中の3時に香港を出て6時半頃にシンガ ポールに到着する2073便という強い味方がある。これなら朝町中に出られるし、勿論、 明るいうちにホテルに入ることも十分可能である。また、復路についても2074便という 夜便を持っている。NRT発着をCX505/504を選んだとすれば出発はゆっくり、現地到着 は明るいうち、復路についても現地発はゆっくり、NRTからはバスのあるうちに家に 帰れる。また、乗り継ぎ時間も往路約5時間、復路約7時間と「腐る程」ある。乗り 継ぎ時間は非常に長いが、SQの欧州行きの往路だって(7時間はないかもしれないが) 似たようなようなものではないか。それに飛行機は遅れることも多いにありえるのだ から、効率は悪くてもこれだけ待ち時間があれば安心して乗り継ぎができる。復路、 HKGでどう時間を過ごすか、という課題はあるものの、シンガポールに就航している これらの航空会社のフライトから比べれば、条件は格段にいいと思えた。

航空会社で発券してもらう、ということは、当然選択肢は個人旅行しかありえない。 個人旅行、ということは、自力で空港からホテルまで行かなければいけないことを意味 する。しかし、この空港から市街へのアクセス手段について、シンガポールは大きな問 題があった。それは、空港から市街へ行くには路線バスか、タクシー、エアポートリム ジンといった車物しかない点である(*)。Orchard Roadは前行ったことがあるから何とか なるものの、路線バスは地理に慣れない私にとっては乗るのが難しそうだし、タクシー は何かボラレそうだし、不安だ。エアポートリムジンは行きはいいものの、帰りは予約 が必要、値段がはねあがるという。どれも難有りの乗物ばかりだ。今年中には地下鉄 がチャンギまで乗り入れるというが、いつのことだかわからない。今回はCXで発券、と いう話は別として、主目的は前回と違い、特に個人旅行でなければできないことをする 訳ではない。SQバティックグッズを買い、蘭園で一時を過ごす、ということだけだ。 ツアーでも十分達成できることだ。別にCXでの発券はシンガポール行きである必要はな い。そのため、今回の旅行をどうするか、散々迷ったが、路線バス、といっても運賃の 最高額は$1.50だし、空港案内にもOrchardまで直接行くバスがある、というから、何と かなるだろう。それより、SQバティックは是非手に入れたかったし、ピーク前の夏休み、 というこの貴重なチャンスを逃したくなかった。夏なら、シンガポールは日本と気候が そっくり似ているので、荷物も少なくて済む→5kg制限にひっかからないかもしれない →荷物を預けなくて済む、ということになり、いいことづくめだ。今年の夏こそ、シン ガポールに行って、長年の希望だったSQバティックを買うチャンスだ。しかも、CXの チケットカバーを入手するチャンスでもある。勇気を出して、シンガポールに行く決断 をした。

*註:現在ではチャンギ空港のターミナル2から市街地まで地下鉄が運行されており、車物以外の交通手段でも空港から市街地、もしくは市街地から空港へ何なくアクセスが可能である。

5月中は旅行実施の判断に迷っていたのに加え、仕事の上でもさまざまやり残した ことがあって、何もできなかった。5/30、とうとう自分はこの計画を実施に移す決断を 行う。その日の深夜、有楽町のCXに以下のFAXを送り、フライトの予約をお願いした。

キャセイパシフィック航空  予約センター御中

  以下の予約をお願いします。
  なお、予約が取れた場合、航空券は6/1に有楽町の営業支店まで購入に
うかがいます。

  第1希望(ハヤトクん21)
    8/6   NRT-HKG  CX505(もし、取れなかった場合はCX451)
    8/7   HKG-SIN  CX2073(もし、取れなかった場合はCX717または713)
    8/9   SIN-HKG  CX2074
    8/10  HKG-NRT  CX504(もし、取れなかった場合はCX450)

  第2希望(ハヤトクん21)
    8/5   NRT-HKG  CX505(もし、取れなかった場合はCX451)
    8/6   HKG-SIN  CX717(もし、取れなかった場合はCX713)
    8/8   SIN-HKG  CX2074
    8/9   HKG-NRT  CX504(もし、取れなかった場合はCX450)

  第3希望(IATA PEX)
    8/7   NRT-HKG  CX505(もし、取れなかった場合はCX451)
    8/8   HKG-SIN  CX717(もし、取れなかった場合はCX713又はSQ1)
    8/10  SIN-KUL  MH618
          KUL-KIX  MH52
    8/11  ITM-HND  NH36

  第4希望(IATA PEX)
    8/5   NRT-HKG  CX505(もし、取れなかった場合はCX451)
    8/6   HKG-SIN  CX717(もし、取れなかった場合はCX713又はSQ1)
    8/8   SIN-KUL  MH618
          KUL-KIX  MH52
    8/9   ITM-HND  NH36

  搭乗者:●●●●(M○)
  連絡先:xxxxxxxxx(自宅)
          xxxxxxxxx(自宅FAX)

  急で申し訳ございませんが、5/31中にお返事をFAXで下さい。
  以上の件、よろしくお願いします。

今回は費用上の制限があるので、第1希望はAPEXにせざるおうえなかった。FAX文中 にある「ハヤトクん21」が21日前APEXの愛称である。APEXで予約がとれなければIATA PEXということになるが、CX以外に乗りたい会社に乗れるチャンスができるものの、 ヨーロッパ行きと違い、東南アジアは飛行距離も短い。ということは、自然とMPMも 短くなる訳である。更に、東南アジア行きIATA PEXは乗り換え回数も制限がある。そ んな訳で、ただ高いだけでそんなにメリットを感じるチケットではなかった。APEXで は全旅程CXを使わなければならない、という制約はあるものの、自分が行きたい と思っている時期ならAPEXで十分だ。

自分の行く時期は夏休みであるし、APEXでの予約がタイトになることが想定された。 従って、FAXではAPEXをするケースとIATA PEXを使うケースで希望を出した。APEXでな い、普通のZONE PEXという手段もあるが、APEXより予約クラスは高いものの、これも 全区間CXを使わなければならない。しかも、IATA PEXと1〜2万円ぐらいしか差がな く、IATA PEX以上にメリットがあるようには思えない。従って、ZONE PEXは論外だ。 もし、IATA PEXとなったら、折角高い航空券を使うのだから、前から気になっていた 会社の1つ、MHで帰国し、帰りに噂のUniversal Studio JAPANへ行ってみようか。そ してITMの空港見物をし、家に帰るプランを考えた。Universal Studio JAPANもITMも 気になっていたところではあった。
APEXもIATAも、予約完了後3日以内に航空券を買わなければならない。航空券は業務 に若干余裕ができる6/1に購入することにした。

FAXを出した翌日、CXから自宅に電話があった。自分は仕事中だったが、ちゃんとFAX が届いているか確認する為、休み時間にCXに電話したところ、家に電話した、という。 ちゃんと第1希望で取れていた。係員は予約番号も教えてくれた。予約番号はxxxxx だという。聞き間違いがないように、JapanのJ、TokyoのTなどと言葉の頭文字を示し ながら言っていた。こうすれば、確かに間違いは起きにくい。例えばGとTとか、発音 によって聞き取り間違いを犯しやすいスペルもあるからだ。

その翌日の6/1、有楽町へ航空券を買いに出かけた。既に予約は取れているので、 発券カウンタの営業時間までに到着することだけを考えればいい。
発券カウンタには自分以外にも2人ばかりお客が訪ねていた。1人は年配のビジネス マンで香港で買った航空券の予約変更か何かをやっており、もう1人は若い女性。彼 女はCXに加え、EKの予約も入れたい、と話している。私がかつて言われたように、こ こでも「他社便についてはあくまでもリクエストベース」と言われている。

自分の番が回って来たので、申し出て航空券を買う。予約確認書も印刷してくれた が、名前がパスポートの書き方と逆で、名、姓になっている。一般的な英文での氏名 表記は名、姓だが、パスポートは姓、名の順である。航空券にこう書かれたら、搭乗 拒否だ。この点を指摘したところ、「航空券には姓、名で載せます」という。航空券 には確かに姓、名の順で名前は載っていた。
航空券そのものはチケットカバーを除いた中身は、おなじみの分厚い黄緑色の券片で、 予め発券会社に「Cathay Pacific Airways Limited」と入っていること以外は、デザ インは旅行会社の発券するATB券と全く同じだった。航空会社自体がATB券を出す、と いうことは、空港でATB券を処理できるだけの設備が整った、ということだろうか。

運賃は税金を含め、95860円だった。券面上には運賃のみならず、空港税も表記され るが、NRTの2040円やSINの1020円はわかるが、「800 HK」という税金が加算されている。 これは、何だろうか?航空券を受け取る時には全然気づかなかった。
後でOFCタリフを調べてみると、これはHKGでの空港税であることがわかった。今まで HKGで何度も飛行機を乗り継いで来たが、このような税金を取られたことはなかった。 到着後、24時間以内に出発する旅客は空港税免除じゃなかったの?今までのケースと 今回のケースとで何が違うのだろうか。
これについては以前貰ったCXの機内誌にある空港案内でわかった。空港税免除になる ケースは24時間以内とは言っても、到着日と出発日が同一日になる場合、ということ だった。今までのケースではいずれの場合も香港到着と出発が同一日だったが、今度 は日を跨いでいる。だから、空港税が必要になる、という訳だ。

航空券の手配が完了した後は、今度は宿の手配だ。いつものように、HISのN氏を訪 ねた。前にHISのホテルのカタログは貰っておいたのだが、今回はまず、Orchard 以外の地理には全く疎いので、とにかくわかりやすい場所にあることが条件だった。 こうなると、部屋代も最低1泊1万円は超えてしまう。しかも、室料だけで、朝食が 付いていないホテルが殆どだ。ロンドンでは朝食付きのホテルが多かったのに。やは り、朝食は欲しい。以前泊まったANAホテルは、3万ぐらいする。高い!
そんな中で、Crown Princeが1泊1万円代で出していることがわかった。目の前は Orchard Roadである。しかも、朝食も付いている。他のホテルが食事なしでこの値段 以上なのに対し、ここは食事付きである。自分が泊まるホテルとしては高いが、これ はかなり魅力的だ。Orchard Roadに隣接するホテルは、どこもやはり高かった。
N氏に質問した結果も踏まえ、第1希望をこのCrown Princeにして、第2、3希望 を周辺のエコノミーホテルに設定して予約を入れた。
結果は第一希望で予約が取れた。クーポンは後程発行、ということである。

全ての手配が完了し、後は休みを待つだけ、の筈だった。ところが、6月末になっ て、10日まではなるべく予定を入れるな、というお達しが部内を流れた。このこと自 体は、私達のチームには直接影響はないが。
そんなこと言われても、もう計画を入れてしまったよ。どうすりゃいいの?
とは言っても、このようなことになるのもサラリーマンの宿命である。場合によって は、キャンセルも致し方がないだろう。自分の作業に直接響くなら、キャンセルする しかないだろうが、そうでなければそのままでもいいのでは。このような話を上長に 相談するのは非常に気が引けるが、勇気を出して自分が夏休みに計画を入れたことに ついて、正直に打ち明けた。上長は私がよく海外旅行にでかけていることを理解して くれている人間である。しかし、今の私達はこの一件はもう眼中にない、それよりも もっと大変作業に関わらなくてはならないことを説明した。しかし、現状の私のチー ムは現在の残務に追われ、一部の人間を除いては次の作業が何もできていない状態。

はっきり言って、夏休みはないかもしれない。しまった!安易に考えすぎた!
上長は、今回はごめんなさいすることになるかもしれない、と言っていた。でも、PEX 航空券を購入したので、キャンセル料が2万円もする。いくら仕事のため、とは言っ ても、2万円もの大金を払わせるのは申し訳ない。他のリーダーにも相談してみる、と いうことで落ち着いた。

もう、こうなったら、今回の旅行は諦めるしかないだろう。2万円を払う覚悟は決め ていた。できることなら、キャンセルなどしないで、旅行に行きたい。でも、実際に 払うのはもう少し様子を見てからだ。

7月に入ったが、残務は山程あって、なかなか次作業に移行できない。キャンセル の申し出を行う時期を見計らっていたが、自分自身も忙しくて、そんなことを考えて いる余裕はなかった。

その中でCXのパイロットが「また」ストをやっている、というニュースが舞い込んで きた。ストのきっかけは99年と同じ賃金問題だったらしい。このストで、オーストラリ ア、マンチェスター便など、運休する便が続出した。一方、中国北方航空(CJ)、中国東 方航空(MU)のチャーター便も運航され、このストに対応した。私の搭乗予定の2073/2074便などは、まずチャーター便に置き換えられる候補となりそうだが、Webで確認すると、思った通りCJかMUのチャーター便だった。

今回はCXの飛行機に乗ること自体にはそれほど大きな比重を置かなかったので、目的 地までの翼がちゃんと用意されていれば、それで良かった。しかも、作業の雲行きによ ってはキャンセルかもしれない。ギャーギャー騒ぐことはなかった。というか、自分自 身もCXの労働争議どころではなかった。

夏休みの出勤予定がはっきりとしてきた。全体対応としては8/9まで出勤となっ たので、チームの出勤はこの予定に合わせる、ということになった。各人の出勤予定 については、進捗状況に応じて、各自で決める、ということになる。私の出勤はメン バ間の会話で、8/5の1日だけ、ということに決まった。勿論、8/6-10まで予定が入っ ていることを話し、作業的にノルマは達成できそうな見通しなので、OKということに なった。これで、今までキャンセル、ということになっていたこの旅行の話は復活した。
その頃になると、CJやMUのチャーター便の成果もあって、スケジュールはだいぶ回復 してきた。労働争議の話も小さくなっていた。

結局は行く、ということになったので、N氏に再びコンタクトを取り、クーポンを 引き取り、CXに現地での連絡先を連絡するため、再度有楽町に向かった。
クーポンを受け取ってHISを出たところ、激しい雷雨。再び小田急に乗ったが、雷が 凄まじい。落雷が発生したため、発車の見込みがないという。
これはヤバい。17時半までに有楽町に着けるかどうか、ヤキモキしていた。発車後も、 ノロノロ運転、時にはホームで一時状況を伺う、ということもあって、結局1時間近く の遅延で新宿到着。あとは、ダッシュで中央線に乗ったが、間違えて高尾方面の車両に 乗ってしまう。私の乗るべき電車は別ホームにある。発車寸前でこれに気づき、急いで 電車を降り、階段を再度昇り降りして別ホームに移動、その電車に飛び乗った。さすが に、息が切れる。危機一発だった。

こうして息せききってCXオフィスに駆け込んだのは5時過ぎ。閉店まで30分の猶予はあ ったとはいえ、危なかった。
まず、決まった現地での連絡先を伝えた後、確認しておくべきことがあったので、質問 する。

CXの騒ぎは知らない間に徐々に収束する方向にあるようだ。7月も末に近付き、Web上 で各路線のフライトの復旧見込みが発表された。日にちまで発表されたが、実は覚え ていない。一番遅かったのがアメリカ線で、8月1日頃だったかと思う。 7月末にあったCX2073/2074のチャーター便化も、出発直前にはなくなっていた。


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2001年シンガポール(2/8)