かつてのパッケージツアーといえば、添乗員やガイドの旗の下にゾロゾロ、といった形式のツアーでしたが、最近ではパッケージツアーもセグメント化されてきていて、
の２種類に分類されるようになりました。旗の下ゾロゾロツアーは団体行動なので、自分勝手な行動はできませんが、例えば「空港へ飛行機の写真撮りに行きたい」というような一般人からすると特殊に思われる(これは飛行機ファンにとっては特殊ではないのですが)行動も、スケルトンツアーであれば現地行動は自由行動が基本なので、プランに組み込むことが可能です。スケルトンツアーの場合、空港からホテルまでの送迎がまず付いており、簡単な市内観光が付いているものも多いです。
旗の下ゾロゾロツアーか、スケルトンか、それとも、本当の個人旅行のどれがいいかは、旅行目的や経験、周囲にアドバイスしてくれる人がいるか、そして各人の好みに依存するものなので、一概にどれがいいとは言えないです。もし、その旅に期待するものが強行軍になってもいいから観光地を手軽にあちこち見たい、同行者との交流も楽しみたい、というのであれば、旗の下ぞろぞろツアーが有効な選択肢になるかと思います。
スケルトンツアーはかなり自由度が高く、旅行会社も「個人旅行の自由さとツアーの安心さを兼ね備えた」商品として売り込んでいます。利用する航空会社、ホテル、その他諸々のものが選択肢として用意されていて、場合によっては個人で手配するより安上がりということもあります。航空会社やホテルについて、旅客の選択肢はあるが、旅行会社のサポートや保証、市内観光等はついているが、自分で旅に必要な流れを体験することができる(スケルトンツアーの場合、搭乗時やホテルのチェックイン等は基本的には自分で行うことが多いです)。航空会社を選びたい、とか空港へ飛行機ウォッチングに行きたい、といった目的であっても、旅慣れていない方は、海外旅行の流れや勘をつかむ、という意味で最初のうちはスケルトンツアーはお勧めかもしれません。
旗の下ゾロゾロツアーはともかくも、いくらスケルトンツアーとはいえども、選択肢には限界があります。基本的には航空会社でいえば、殆どが日系航空会社かその土地への直行便を持っている会社に限られてきます(中には、格安航空券の販売に強い一部の旅行会社の商品では、ロンドンへ行くのにCXを利用するスケルトンツアーもあるが、一般的ではない)。また、往復同じ航空会社のフライトを利用することが必須になり、A社とB社で乗り比べ、といったことはできません。スケルトンツアーに使われる安い航空券は、往復同じ航空会社を利用することを前提としているからです。また、極端な遠回りもできません。例えば、ロスへ行くのにシンガポールへ行くのは、パッケージツアーではなしです。
このように、自分のやりたいことが特殊なものになってくると、個人で計画する自由旅行しかなくなります。私はこのところ個人旅行ですが、フライトにこだわった結果、個人旅行しか選択肢がなくなりました。
例えば、ロンドンへ行きたいとしましょう。皆さんはどのようなフライトを利用することを考えますか？まず、多くの方の頭に思い浮かぶのはJL、NH、BA、VSといった直行便だと思います。また、これとは別にCXに乗りたい、と思ったとしましょう。恐らく、多くの方々は香港へ行くことを考えるかと思います。しかし、ロンドンへ行くのに直行便しか選択肢がなく、CXに乗るために香港に目的地が縛られるということは、パッケージツアーだけを考えていた時のことであって、これほどもったいないことはありません。費用や所要時間などのファクターは別にして、個人旅行ではもう、このような制約に縛られる必要はありません。香港から出ているCXの接続便を利用することによって、ロンドンに行きたいという要求とCXに乗りたいという要求を同時に満たすことも可能ですし(香港からの接続便を使えば、日本線では経験することのできない、CX長距離線のサービスを体験することができる)、CXと別の航空会社を組み合わせてロンドンへ行っても良いわけです。同じロンドンへ行くのにも、その人の目的や予算に合わせてありとあらゆる選択肢がある、これが 私にとっての個人旅行の真骨頂であり、醍醐味だと思います。では、そのプランの基本となるフライト探しはどうするか、ということをお話しします。
日本発着の直行便であれば、ありとあらゆるところにリソースがあります。航空会社のWEBサイトや時刻表はもちろんですが、AB-ROAD等の旅行雑誌、空港の発着案内、更に、JRやJTBの列車時刻表にまで時刻表が掲載されています。
ところが、問題は海外発着のフライトです。外資系航空会社の日本法人発行の時刻表には、ベース地発着のフライトを掲載しているケースもありますが、そうでないケースも見られます。また、ベース地以外を発着するフライトもあります。JR時刻表やAB-ROADは当然これらのフライトをサポートしていません。
そんなとき、私が利用するのはOAGと呼ばれる航空時刻表です。OAGは世界中の殆どのフライト情報を網羅していると言われる、電話帳ぐらいの分厚い時刻表です。しかし、基本は英語で、価格も11000円ぐらいと、非常に高価です。毎月発行されていますが、国際線の場合、フライトスケジュールの大きな改訂があるのは3月下旬と10月下旬が相場なので、だいたいの雰囲気を掴めばいい、ということで年1〜2回、有楽町のJALプラザで購入しています。なお、OAGには各地域版もあり、行き先が限られている人はこれを利用することもできます。OAGの読み方は少しコツが要りますが、日本語の説明も最初にありますし、慣れるにもさほど難しいものではないと思います。
OAGを買う程、私は凝り症ではないよ、OAGは高すぎる、そんな方もいらっしゃるでしょう。その区間を飛ぶ全てのフライトは網羅できないかもしれませんが、どんなフライトがあるか目星をつける方法をお教えしましょう。
例えば、香港-ロンドン間のフライトを知りたいとします。日本とロンドンを結ぶ航空会社が日系のJLとNH、イギリスのBA、VSがあるように、まず、その区間を運航する航空会社は始発と終点をベースとする会社が考えられますから、香港側がCX、KA(ドラゴン航空)、イギリス側がBA、VSが候補として挙げられます。これらの会社についてそれぞれその土地へ就航しているかを、各航空会社のWEBサイト等で調べます。すると、CX、BA、VSがフライトを持っている、ということが分かります。そして、時刻表検索をかければ、具体的なフライトまでわかります。
ですが、最近ではいちいちこのようなことをしなくても世界中のフライトスケジュールを検索できるサイトが出てきています。例えば、格安航空券を扱う旅行会社etourでは日時と空港を指定すれば、リアルタイムで世界中の航空便のスケジュールが検索できるようになっています(etourの場合、予約クラスさえわかればその空席照会もできてしまうのが凄いのですが:-))。
また、最近ではSQのシンガポール-北米ノンストップ便など、新路線や新機材の導入が続いています。このような情報は雑誌等で取り上げられることもありますが、必ずしも取り上げられるとは限りません。では、この手のニュースはどこで入手するか、というと、このようなときこそネットの真骨頂でしょう。自分の興味ある航空会社があったら、普段からプレスリリースを見ることをお勧めします。外資系の場合、なるべくなら、日本法人のページだけでなく、ワールドワイド版、本社のページを見ることです(日本法人のページでは、日本に関係ないニュースは翻訳されないケースがある。逆に、ZONE PEXの運賃発表など日本に特化した話は日本法人の方が良いかも)自分が探していないときに何気なくプレスリリースを見ていると、意外なお宝フライトを見つけることも良くあります。私はSQのシンガポール-北米ノンストップ便はSQ本社のプレスリリースで見つけました。
他、航空旅行者が良く利用する掲示版サイトもフライト探しのヒントがいっぱいですので、参考にされると良いと思います。