(3)1999年 シンガポール(2/2)

Date
1999.2.15
Flight No.
SQ12
Aircraft Type(Registration No.)
B747-412(9V-SMC)
Route
SIN-NRT

1.SIN

楽しかったシンガポール滞在も終え、日本に戻る時がやってきた。 今回、同じ便で帰国するメンバは私の他6人とのことで、ガイドが各 ホテルをまわってピックアップしていく。今回は私の他にもう1人単 独参加の人がいるとのこと。やはり1人で旅行する人はいるものだ。 なお、その1人参加の人はキャリアウーマン風の女性で、見た目はち ょっとお高そう。いかにもブランド品買いました、といった感じだ。 後で空港で「私はわかりますから、もう結構です」などと言っている ことからだいぶ旅慣れた感じだ。他は家族か親戚と思われるグループ で、移動中のバスの中でも「何ドルXXさんに貸した」とか「日本に電 話かけるにはね、こうやって」などとやっている。こんなことをして いる間にチャンギ(SIN)に到着した。

シンガポール航空(以下、SIAまたはSQと表記)は第2ターミナルから出 発である。空港へ続く道路にはどの航空会社がどのターミナルから出発 するかわかりやすいように、入口の標識に航空会社名とマークが入って いる。これなら、車で来ても迷わずに済みそうだ。ちなみに、SIAは何と 表記されていたかというと「SIA」そのままである(他の航空会社はフル ネームで書いてあったが。まあ、これは日本人が日本航空のことを「JAL」 というのと同じ感覚かもしれないが)。

ガイドがSIAカウンタでチェックインしている間、自由に空港内を散策し ていいということになった。しかし、チェックインの間にパスポートが 盗まれるかもしれないし、何が起こるかわからない。それに自分はSIAの タイムテーブルを手にいれたいという目的もあったので、しばらくチェッ クインの様子を見ていることにした。また、いくつもある預け入れ手荷物 をガイド1人でカウンタに渡すのは大変である(このガイド、ある程度年配 の方である)。ということで、荷物をカウンタの重量計に運ぶのを手伝った りした。そういうこともあって、ガイドが私に気をきかせてくれて、普段 ではありえない「どんな席を希望しますか?」と席の希望を取って下さった のである。しかし、他のメンバに申し訳ないので「どこでもいいです」と 遠慮させてもらった。非常に嬉しい配慮ではあったが。

記念にSIAのタイムテーブルを入手したかった。勿論、有楽町のSIAオフィス に行けば手に入るだろうが、私が欲しいのは英語版、しかもシステムタイム テーブルだ。どうもこれは日本には置いてないようだし、第一、私が有楽町 へ行ける時はオフィスは休みだ。しかも、(外資系航空会社の)タイムテーブ ルは誰でも手に取れる場所にあるのではなく、オフィスの中にわざわざ入ら なければならない。とのことで、ある程度声をかけられそうな機会をうかが っていたが、どうにもそういうチャンスは回ってこない。そうしているうち に、SIAの案内所を発見。そこで聞いたところ、SIAの発券カウンタが出国審 査場のそばにあるのでそこに聞いてくれ、とのこと。

で、発券カウンタに行こうとした時にチェックインが終ったので集合。 搭乗券とパスポートを受け取り、出国審査場で解散。

で、一目散にSIA発券カウンタへ向かう。空港の発券カウンタなど、(普通料 金の航空券など、ビジネス目的でもない限り高くて買う人がいなさそう。そ れに空港でそんな航空券買う人がいるのかな?これって、日本だけか)暇そう に思えるが、そんなことはなく結構人が並んでいる。カウンタは壁のところ のSIAのロゴが輝いているし、他と違って絨毯びきだ。で、列に並んだ人はカ ウンタの手前で待っていて、空いたところへ移動する形になっている。 (チェックインカウンタにしても、発券カウンタにしても、係員もサロンケバ ヤを着ればおもしろいとも思ったが、そんなことはなかった。あれって、CAだ けか。ちなみに自国のエアラインでありながら、チェックイン業務はSIAではな いことがSINのパンフでわかった。)

こんな立派なカウンタであるが、肝心のタイムテーブルが手の届くところにない。 カウンタのところにあるパンフをもらおうと思っても、行列に並ばないと中に入 れないようなので、面倒でも並ばなくてはならない。飛行機の時刻があるので気 になってしょうがない。で、やっとの思いでカウンタにたどり着いてタイムテー ブルが欲しいというと、係員は探してはくれたが、結局は見つからなかった。 で、カウンタのところにあったKrisFlyerの案内とかパンフをもらってきた。

出国審査を終えるとさすがチャンギ。免税店がうじゃうじゃ。パソコンショップ まである(^o^)。とはいっても、そんなに時間はない。ゲートの位置を確認するにも 広くて大変である。で、SIA乗り継ぎカウンタに最後の望みをかけてタイムテーブル の交渉。ところが、ここの係員、日本語OKで、「日本語版ですか、英語版ですか?」 と聞くが、それはダイジェスト版だと思ってしまったので、「システムタイムテー ブルが欲しい」と言ってしまった。ところが係員、「どっちですか?」とけげんそ うに問い正すので、英語版が欲しい、というと探してくれたが見つからない。「じ ゃあ、日本語版でいいです」と言うと目の前にある、とのことで持ってきてくれた。 やはり日本人の利用が多いのだろうか。
飛行機の写真も撮ろうと思ったが、SINは軍も共用している飛行場という噂(*)も聞いた ことがあるので、もしかしたら写真が撮れないのではないか、と思い、断念。

(*):実は筆者の誤解だった。

あと、私にはSIAの機体で1つ気にしているものがあった。それは、トロピカ ルメガトップと呼ばれている機体(9V-SPL)で、結構派手だが、色使いとかデザインが なかなかカラフル、かつきれいで、キャセイ(以下、CPA)のSprit of Hong Kong(B-HIB) 号と並んで気に入った塗装である。SQ12がこれであれば申し分ないのだが、日本には なかなか来ないらしい。で、実際に実物を見てみたいと思いゲートを探してみると、 はるか遠くの方に駐機しているのが見えた。そばに行くまでにはあまりにも遠すぎる。 モデルがあれば価格が許せば、「買い」だが、SIAの機内販売をみても、取り扱って いなかった。残念。

出国審査はやったが、いつセキュリティチェックはするんだろうと不思議がっている 間、SQ12へのファイナルコールが流れた。これは焦ったが、ゲートに入ると飛行機の 目の前でチェックをしていることに気がついた。で、チェックを済ませると目の前に 搭乗機(9V-SMC)が手に取るように見える。こんなことなら早めにチェックを済ませて 搭乗機の写真を撮れば良かった。で、機内へ直行である。

2.機内

真ん中の席は外にも出にくいし、何も楽しめないのでつまらないなあ、と思いなが ら自席49Bを探して見つかった席をみて驚いた。何と、ツアー客がなかなか座るこ とのできない「お見合い席」、つまり非常口座席である。今まで何度か飛行機に乗 ったが、このような席が割り当てられたのは初めてである。これなら、真ん中席で もすごくいい席である。足元は広いし、動きやすいし、CAにものは頼みやすいし、 最高の席だろう。きっと、これもガイドが気をきかせてくれたに違いない。
ちなみに、私の席の両隣は黒人系の外国人男性で、1人はロス迄行く乗客であった。 私の前のジャンプシートにはチーフ(?)スチュワードのI氏と日本人CAのJ氏が座っ た。暇だったので、彼らの動きを眺めていた。
ドアをarmedに変更するよう、機内放送が入るとI氏はレバーを「automatic」の位置 に移動する。
また、彼はラインプリンタで打ち出したような乗客名簿を取り出して、ロス行き と成田までの乗客の区別を行ない、ロス行きの乗客の席に貼るSIAロゴのシールを 用意している。忙しそうだ。見るつもりはなくても、乗客が見てはいけないものま で、見えてしまうのがちょっと困るところである。

離陸時もこの席のメリットは発揮されることになる。飛行時間が5時間50分と短め なので、機体が浮かび上がってCA達にも少し余裕が出て来た頃、フライトログの依頼 を行なった。声をかけ、事情を書いたメモを渡して「成田到着まででOKです」と伝え るとすぐに了承してもらえた。更に、J氏から
「飛行機お好きなんですね。シンガポールはいかがでしたか?」
という話から始まり、宿泊ホテルはどこだったか、どこを訪問したか、といった話に なった。さらに、J氏から
「シンガポールは6月いらっしゃるといいですよ。熱帯の果物がおいしいですし」
というアドバイスまでいただいてしまった(^o^)。

上空に上がるとクルーは忙しそうに働き出す。ギャレーが目の前なので、ここでも見てはなら ないものも見えてしまうのだ(;;;)。で、まず出てきたものは「軽食」と称して鶏の 照り焼きとサイコロビーフ、それにサーモンパイであるが、これがしっかり温められ ている。えっ、機内食これだけ?とも思ったが、そんなことはなく、2時か3時頃、 しっかりと機内食が出て来た。これも勿論、しっかり温められている。機内食はまた 洋食と和食の選択で、洋食は魚料理、和食は肉料理だったが、SQ11で洋食を取った 時に隣で食べていた和食の牛肉があまりにもおいしそうだったので(;;;)、今度は和 食にした。隣はロス行きの乗客はスペシャルミール、もう1人は洋食を注文していた。 軽食にしろ、和食にしろ、そしてSQ11の洋食にしろ、機内食のレベルはかなり高い。 非常においしいのだ。

でも、SQ12の乗務員、5時間50分という飛行時間でしっかり と温めた食事2回に加え、免税品販売と働き詰めである。非常口座席にいるとそれ がよくわかるのだ。そのためか、戻って来たフライトログを見ると、I氏1人 が書いた(これは後でJ氏から聞いた)と思われるのだ(それでも、データを絵を使 って表したりしているところに彼なりの工夫があった。まあフライトログはあくまで 「オプション」なのでどうこうは言えないが)。この便、出発は9:45、到着は17:05で ある。軽食は「朝食」のつもりかもしれないが、このサービスは省略してもいいかも しれない(SQ12は直行便なのだから。それにコストもかかるし、機内食の前におな かが膨れて食事の味が落ちる)。その代わり、「昼食」とのことで、機内食の時間を もう少し早くしたら彼らの仕事も少しは楽になるのかもしれない。

SIAの売りの1つであるクリスワールドを試してみる。私は普段、飛行機の映画を みたり(見たいものが見つからない)、オーディオプログラムは聞かない(飛行機の中 でまで音楽を聞こうとは思わない)のであるが、この時は昼間だったこと、任天堂の ゲームができるというので、どんなものかやってみようと思ったのである。SQ11の 時に試そうかと思ったのだが、辺りは暗いのでやり方を勉強するわけにはいかなか った。で、あれこれいじってみて、ようやく任天堂のゲームまでたどり着いたもの の、操作がよくわからない。機内誌を見ればわかることなのであるが、そこまで してやる程でもなかった。それに、ゲーム選択画面にたどり着いたものの、目的の ゲームをロードしてゲーム開始になるまでが非常に遅い。重たい。で、面倒くさく なって止めてしまった。

次にこのクリスワールド、SIAの就航地の情報が引き出せるとあるのでやってみた。 もしかしたら、空港情報がないかとやってみたが、残念ながらそれは登録されてな いようだ。しかし、その国の基本情報は入っている。私が航空マニアだから、とい う訳ではないが、飛行機で移動中に最も知りたいのは到着地の空港案内のような気 がする。CIQはどうなっているのか、空港から市街までの交通手段は?その料金は? 乗り継ぎはどうする?といった情報である。それは到着前にビデオを流してるよ、 と言えるし、実際SIAはベースであるSIN到着でなくても(少なくともNRTは)しっかり ビデオを流しているが、折角このようなシステムがあるのだから、こういった情報を 登録すれば、システムの価値は増すような気がする(もしかしたら私の知らない場所 にあるのかもしれません)。

それにしても隣の黒人は非常に明るい。私がフライトログをもらった時、それを見 ていた彼は「Signature」と言って笑うし(あざ笑ってるとか面白おかしくて笑って るようには見えない。でも、恥ずかしいのでちょっと触れて欲しくなかったな)、サ ービスをしてもらったCAと何か話をしている。彼はカクテルを注文していたが、お 礼を言うのもスマートな感じがする。旅慣れているのだろう。自分の液晶スクリー ンを出し入れしてもらう時は彼にお世話になった。1人では硬すぎて出し入れしに くいのである。
で、もう1人のLAX行きの黒人の方はずっと眠っていた。

NRT到着が近付き、ただでさえあわただしい機内が余計にあわただしくなってきた。 I氏は何やらレポートらしきものを書いていて忙しそうだ。このフライトの 報告書のようだ。I氏の周りには何人かのスチュワードが集まって来て、ス ペシャルミールがどうこうとか言っている。反省点や問題点は結構あったみたいだ。 それから、例の乗客名簿を取り出し、再度何か確認をしている。

CA達も席に戻り、着陸体制になる。J氏とI氏に余裕が出て来たためか、 彼女らも私たちに声をかけてきた。この雑談をかいつまんでみると、

J:「飛行機がお好きなんですね。いかがでしたか、SQは?」
A:「ええ、よかったですよ。時間が経つのがあっという間でした。5時間50 分は短いですね。」
J:「シンガポールと東京って、あっという間だもんね。コックピット見学とか、 言ってくれれば案内したのに。」
A:「皆さん結構忙しかったようでしたので。行きの便で楽しませてもらいました。」
J:「ゲームとかあったけど、やってみた?」
A:「やってみましたけど、やりかたがよくわからなくて止めちゃいました。」
J:「そうなんだぁ。残念ねぇ。もしかしたら、学生さん?」
A:「いや、社会人です。」
J:「飛行機とかよく乗ってるの?こわくない?」
A:「いやぁ、そんなには乗ってませんよ。昔はこわいと思ったけど、今は慣れ ました。」
J:「でも、うちの飛行機、落ちたことないから。」
J:「どこに住んでいるの?」
A:「××です。」
J:「えーっ、××?××は私の出身地よ!もしかしたら、○○ちゃんとか×× ちゃんとか知ってる?(これはどうやらJ氏の友人か、同級生らしい。きっと、 私をJ氏と同年配の"仲間"と見たのだろう。以下の"おしゃべり"が通常の客に 対して使う丁寧語でなく、仲間うちで使う言葉使いをしたことがそれを物語って いる)」
A:「いや、知りません。会社は●●なのですが、ここのところで会社の近く へ引っ越してきたもんで。」
J:「じゃあ、成田から××までどう帰るの?」
A:「新宿へでて、そこから小田急で帰ろうと思ってます。」
J:「小田急かぁ、あれ、メチャメチャ混むんだよね。やだねぇ。」

更に、I氏、両隣の黒人もこの"おしゃべり"に参加することになった。

I:「××かあ。成田から家までどのくらいかかるの?」
A:「約N時間ですね。」
I:「N時間!?そりゃー遠いわ」
LAX:「シンガポール航空のクルーの方に東京の方っていらっしゃるんですか?」
I:「いいえ、みんなシンガポールベースです。」

等々、おしゃべりはスポットインまで続いた。

楽しかったおしゃべりも束の間。降機の時間がやってきた。J氏はいなかった ので、I氏、そしてその他のクルーの方々にお礼を言って9V-SMCを後にした。

3.NRT

成田ではロス行きの乗客も全員降りることになっていて、JALの地上職員と思われる 女性がロス行きの乗客に対して「Los Angeles, Los Angeles」と叫んで誘導している。 ゲートから検疫まで向かう通路はガラス張りになっていて、出発ゲートの様子がよく 見える。もと来たゲートのようだが、この日もまた、平日だというのに結構混んでい る。自分達は成田でおしまいなのでCIQの方角へ向かう。

東南アジア経由の乗客に対しては検疫の問診がある。機内で書いた検疫の質問カード を「SQ12」と書かれたボックスに入れればこれでOK。次の入国審査を終え、ターンテ ーブルへ向かう。

私たちが到着したころはCX(CPA)450とあと1つの便(便名忘れた(;;;))が丁度 受け取り中だった。成田の第1のバッゲージクレームを見て気づいたのだが、便名 の他に航空会社のロゴの入った看板が入っている。勿論、SIAのものも入っていた。 これらの看板、結構大きい上に高いところに掲げてあって、しかも板みたいな感じだ。 これらのターンテーブル、SIAやCPAの専用というものではあるまい。到着便が次から 次へとあると、便名はいいにせよ、看板の入れ換えが大変そうだ。

荷物を受け取り、税関の手続きを終え、NEXで帰宅。成田空港駅も第2ターミナル駅 も明らかに「海外帰り」という客で混んでいた。また行きたいな。

4.まとめ

今回、「すごぶる評判が良い」が、実際乗る機会のなかったSIAに搭乗してみたが、 エコノミークラスに関する一般的なサービスについてはどの航空会社もさほど変 わらないような気がする。しかし、この2便について言えば、乗務員がいかに空の 旅を楽しんでもらおうか精一杯努力している姿が感じられる。特に行きのSQ11では 乗務員が非常に好意的で、今まで経験した中で最高のフライトの1つだと思う。 (まさに、私にとってはSIAがスローガンとしている「A great way to fly」そのも のでした。)

が、フライトレポート本文では触れられなかったが、SIA全体についていくつか感じ たことがあったので、それを紹介してSIAのフライトレポートを閉じたいと思う。

・女性乗務員の制服について

あのサロンケバヤの制服は確かに「美しい」と評判がいいようで、このスタイルを 守り通しているようである。私もあの服はなかなかいいと思うし、シンガポールに はあの制服と同じデザインの洋服があちこちに売っている。実は私も欲しくなって 買った(^^;)(ちなみにこの服、DFSの店員も着てた(^^))。

しかし、あの制服には問題もあると思う。というのは、非常時に避難誘導がや りにくいのではないか、という点だ。脱出用シュートを滑る際、最も安全な滑り方 は股を肩幅までしっかり開き、上半身をしっかり起こして滑る方法だと言われてい るが、そのような事態には彼女達がしっかりやらなければならないのだ。あの格好 で、それがどこまでできるか疑問に思える。それに、材質を考えても脱出シュート を滑る時の摩擦熱でやけどしそうだ(あの摩擦熱は女性用のパンストも融かしてしま うのだそうである)。彼女達の役割が保安要員であることからすると問題である。 (後でわかったことだが、あれは木綿らしい。)

また脱出シュートだけでなく、露出部分が多いと事故の際、機体の破片やその他の 鋭利品等での怪我や寒冷地で不時着等になった際の防寒対策等の問題もある。(今ま でこのようなことがSIAには幸いにもなかったし、これからも絶対に起きてほしくな い。勿論、SIAもこれらの問題は考えていると思うが)
それに、よくみると、裸足にサンダルをはいているようである。これこそ、脱出時に 怪我をしそうではないか。心配になってくる。

註:この文書を書いて後、ここで懸念されていた現象が実際に起こって しまった。2001年10月、台北からロスに向かおうとしていたSQ6便が離陸に失敗し、機体 が大破炎上した。この事故で乗員乗客80人余りが犠牲になった。その後、離着陸時は 靴を履き替えるようになった、との話もある。

SIAに限らず女性乗務員の制服についてスタイル面から議論することはあっても、 安全面から議論することはあまりなかったような気がする(航空会社としては当然、 難燃性とか考えてるだろうが)。昨年就航したエアドゥがつなぎタイプのズボンを 制服に採用したようであるが、動きやすさ、露出部を減らすという点、保安要員と しての役割を考えれば当然かもしれない(これまで女性乗務員の制服は機内にいる 時も圧倒的にスカートが多い。機内にいる時の服装は天然素材のもので、長袖長ズ ボン、体を圧迫しなくて動きやすいものを勧めている人もいる。事故時のことを考 えたら納得できるだろう。絶対に起きちゃ困るが)。
いや、このことについては私達乗客自身も考えるべきではないだろうか。

補足:エアドゥについては制服改定があったようで、他の航空会社同様、 スーツスタイルになってしまったようである。

・時刻表について

SQ12のフライトルポ中でも述べたが、計画を立てる時に最も基本となる時刻表が そう簡単に入手できない。発券カウンタ、しかもベース地の発券カウンタを訪ね ても手に入らなかった。空港の発券カウンタで航空券を買う人が少ないからかも しれないし、この時はたまたま切らしていたのかもしれないが、こういうものが 簡単に入手できないのは問題ではないか。

これは外資系航空会社全般に言えることだが、日本のオフィスについて言えば、 こういう資料はオフィスの中にあるため、一般の人が入手しにくい状態にある。 (しかも航空会社のオフィスはなかなか入りにくい雰囲気)
やはりプランニングの基本となるのは時刻表ではないか。
が、私の知る限り、こんな外資系の航空会社の中で(日本の中で)1番こういう資料 を見てもらおうとしているのはCPAだと思う(これは決してCPAを贔屓してる訳ではな い)。CPAは東京では有楽町の東宝ツィンタワービルにオフィスがある。このビルに はCPAの他、AUA(オーストラリア航空)、HDA(香港ドラゴン航空)が入っていたと思った。 このビルの入口には入居している会社のビラが自由に取れる場所があるが、入居してい る航空会社のうち、CPAだけがここに時刻表とか各種パンフを置いているのである(時 には分厚いシステムタイムテーブルもここでGETした)(^o^)。これならば旅行情報を収 集するのに、航空券を買わないのにオフィスに入る必要もないし、休みの日でも情 報収集ができる。それで納得する内容であればCPAのオフィスへ行くなり、旅行会社へ 手配を依頼すればいい訳だ。
最近はCPAも元気がないせいか時刻表はないが、CPAのこの姿勢は高く評価したい。

備考:最近では、全てwebでの検索機能に移行し、紙の時刻表自体 発行しない会社も増えてきている。また、CPAの東京オフィスは銀座の並木通りビル に移転した。並木通りビルには有楽町にあったようなビラ置場は存在しない。

・KrisFlyerについて

これはSIAが最近始めたFFPである。この内容について、ここではどうこう言うつも りはない。チャンギのSIA発券カウンタ、機内、あらゆるところにこの申込書が置 かれている。

機内誌にもこのKrisFlyerの紹介がされている。15000マイル貯めれば無料航空券が もらえるとか、いま入会すると抽選でボーナスマイルを差し上げますとか言ってい るが、問題はマイルが蓄積される航空券の種類に制約がありますよ、とかいう条件 がこれらのパンフには書かれていないのである。エコノミーもマイル蓄積の対象に なったのはいいが、IT運賃はダメとか、この運賃だと実際の運航マイルの何%しか 付けませんよ、といった情報である。旅行雑誌を見るとこういうことは書いてある し、入会すれば詳細な約款が送られてくるのであるが、これだけを見るとUAL(ユナ イテッド)やNWA(ノースウェスト)みたいにどんな料金でもOKみたいな感じを受けて しまう。もしそうでないなら、こうした条件はやはりこういったパンフにも書くべ きだ。

最後は手厳しい内容になってしまった(もし、違うところがあればすみません。)が、 それでもSIAは非常に好感を持てるエアラインだと思うし、昨年度のOAGでSIAの評価 がエミレーツについで2位、AB-ROADでは昨年はVIR(Virgin)に1位は奪われたもの の、また乗りたい航空会社第2位、月刊エアラインでの好感度調査でも外資系では ずば抜けての第1位というのもうなづける。
安全確保のための投資として新しい機材を導入しようとしている点(だからといっ て新しい機材を入れればそれでいいか、ということはない)、定時運航率(が高いと される)、品質を保つための努力(でも、管理的すぎて心の余裕がなくなるのはどう かな。安全面では絶対手を抜いちゃ困るけど)、CIQのスムーズさ(でも、これって SIAっていうより、シンガポール政府とかチャンギの努力だと思うけど。もしかし たらSIAもある程度寄与してるかもしれないが)、乗務員の努力などなどいろいろな 面が評価されているし、実際そうだなと感じることも多い。

今回お世話になった乗務員の方々に深く感謝します。


航空旅行記目次
(3)1999年 シンガポール(1/2)
ANA HOTEL SINGAPORE宿泊記