2001年 シンガポール(5/8)

第2日目

Crown Princeで朝食を

昨日は疲れていたというものの、夕食前に一寝入りしたこともあって、ろくに眠れな かった。今朝、早く起きなければならない事情は全くないが、無意識のうちに興奮状 態になっていたのだと思う。ここ最近、海外旅行をするといつもこうだ。日本とは1 時間しか時差がないので、ここでは時差ボケになる心配などない筈だ。眠れないのは 時差ボケばかりではなかった。

パンフレットによれば、Crown Princeの朝食はアメリカンブレックファーストとなっ ているが、実際は1Fのレストランで洋食か和食のどちらかを自由に選べるようになっ ていた。洋食と和食とでレストランは違うが、食券は共通。今日と明日の2日分ある ので、両方が楽しめる。まず、今日はオーソドックスに洋食といきますか。

洋食の場合は、どこでも見られるようなバイキング形式。おかずはチキン照り焼き、 スクランブルエッグ、ポテト、チリロール、あとは忘れたが、何種類かがあった。シ リアルも3種類ぐらいある。パンは通常の食パンの他、デニッシュが3種類くらい。 食パンは食パン置場のそばにあるトースターで自分で焼けるようになっている。でも、 焼かなくてもちゃんと食べられる味だった。全体的に食事はおいしかったが、ただ、 食器の片付けが早すぎる。ナイフとフォークを別々に置いて、「まだ食事中ですよ」 のサインを示しておいたのに。足りないものを取りに行くためにちょっと席を立った 間に食器を片付けられてしまった。

今日はどこへ行こうか。翌日は帰国日。しかも、香港で長い夜を過ごさなければなら ないことを考えると、翌日はあまり疲れることはしたくない。今回の旅のもう1つの 目的である蘭園に行くことにしよう。

蘭園

そう思い、ホテルをでた私はTanglin Roadの方へ向かって歩きだした。
通りは明日の独立記念日の祝賀ムードで溢れている。高島屋前の歩道には各企業がテ ントを出している。各企業の製品やサービスの紹介や販売である。日本企業の姿もあ った。例えば、明治乳業ではアイスクリームを売っていた。

そんな中、現地人に混ざってガイドブック片手に歩く日本人の姿も多く見かけた。夏 休み、ということもあっただろうか。家族連れも何度か見かけた。開けていたページ はグルメ関係のページのようだったから、これから目当てのレストランを探すのだろ う。日本人観光客はよく目立つ、と言われているが、雰囲気でわかってしまう。ある 日本人グループはツアーバッジを着けて歩いていた。時間帯からいって、まだ朝のう ちだったので、恐らく自由行動の時間帯だろう。ツアーバッジを着ける必要などない 時であるが、考えたらこれは危険だろう。いくらシンガポールが治安がいいから、と いっても、油断は禁物である。ツアーバッジは論外としても、特に派手にしていなく ても、日本人観光客が目立つのは何故だろうか。

99年に来た道を思い出しながら道をたどると、植物園の場所はわかった。しかし、 ここからが問題である。目指す蘭園は植物園入口に地図があって、園内に行き先案内 があるものの、どうもわかりにくい。99年もこのために訪問を諦めていた。が、今回 は旅の目的である。そう簡単には諦める訳にはいかない。今朝から曇空だったが、今 すぐにでも雨が降り出しそうな空模様だった。降っても、スコールだからすぐに止む だろう。蘭園はようやく見つかった。

ガイドブックには必ず出てくるシンガポールの定番観光地とあって、各国のツアーの 団体が大挙していた。観光地にはお約束の土産物屋もそばにある。喉が渇いていたが、 今日はミネラルウォーターのポットを忘れてしまったので、入口のドリンクコーナー でボトルを買い、入場券を購入して中に入った。 99年のツアーで初めてここを訪れ、鮮やかな色彩に目を奪われ、気に入った場所だっ たが、ツアーだとどうしても時間が限られてしまう。このような場所の観光には時間 をかけられないのがツアーの常。でも、今日は好きなだけ蘭園を楽しめる。

この蘭園は国立である。99年の時は丁度、旧正月前だったので、旧正月を祝う看板が 入口にあったが、国立だからさぞ、明日の独立記念日を祝う文句があるか、と思いき や、そのようなものは何もない。

しばらく私は蘭園の中を散策していたが、疲れてきたので、ところどころにある休憩 場所で休んでいた。このようなことができるのも個人訪問だったからだ。ところが、 11時過ぎ頃だったか。心配していた通り、突然、激しい雨が降り出した。熱帯特有の スコールの降り方だったが、そう簡単には止まない。この休憩所、屋根がついている ので、雨に濡れた観光客が雨宿りにやってくる。1時間ぐらいこの雨は続いた。 雨はかなり激しく、屋根があっても吹き込んでもきたが、傘をささなくてはならない 程ではなかった。

雨がやんだ頃を見計らい、再度散策をはじめた。が、空は相変わらず曇っており、ポ ツポツと小雨もある。あまり長居はできないだろう。植物園でのんびりもしたかった が、いつドシャ降りになるかわからないので、早く帰った方がいい。展示を一通り見 たら、まずはホテルに帰ろう。

園内にはいたるところに噴水がある。前にいた日本人ツアー客が「これ、温泉だよ」 といって手をかざしていたので、私も真似してみた。確かに生温かいが、温泉という ことはないだろう。もし、これが温泉だったら、観光地案内などで話題になってもい いはずだが、そのような話は聞いたことがないから。

蘭園を出たそばにはもう1つ土産物屋がある。感じからすると、蘭園のオフィシャル ショップかもしれない。ここには巷で定番のシンガポール土産も扱ってはいたが、蘭 園にちなんだ土産物、例えば、蘭の形をしたブローチや、蘭の花を加工した置物など、 ここにしかないオリジナルグッズが多く売られていた。

蘭園を出て、ホテルに戻る道を歩いていた時、再びドシャ降りの雨が降り出した。今度 は途中で雨宿りするような場所もない。雨宿りしようと思ったら、店の中だろう。 蘭園でもそうだったが、SQバティック柄の折り畳み傘をさしている人達も何人か見た。 恐らく、観光客だろう。布製品ばかりかと思っていたら、このようなグッズもあった のね。

歩いているうちに雨も止んできた。チキンライスがおいしい店が伊勢丹スコッツにあ る、という話を聞いたことがあるので、どんなところか下見してみることにした。 中は衣料品が多く、どうもフードコートがあるような雰囲気ではない。日本のデパー トと感じは変わらない。衣料品だけでなく、生活用品等もあった。特に買う物もなく、 期待外れだった。勘違いだったのだろうか。

Paragon SQオフィス

さらについでに、とParagonのSQオフィスも行ってみる。受け付けに人がいてどうも入 りにくい雰囲気だったので、昨日は諦めていたが、思い切って展示物を見に行こう、 と思ったのである。何も言わずに入っても、受け付けに何も言われることはなかった。 どんなものか期待していたオフィス内の展示物の内容であるが、あまり興味の持てる ものはなかった。サービス紹介、とのことで、F、Cクラスで使われる食器、機内で着 替えとして提供しているナイトウェア、長距離便でのアメニティキット、子供にサー ビスされるおもちゃセット、毛布、イアホンなどといった機内サービスで使われる品 物の実物とメールオーダーで購入できるSQグッズだった。機内サービスのグッズは、 各クラス毎に分類され、機内サービスの様子がわかるようになっている。

メールオーダー以外に、シンガポールでしか買えないSQグッズがあるのかと思いきや、 そのようなものはなかった。がっかり。どうも、メールオーダーの品物には「欲しい!」 と思わせるものはなかったのだ。メールオーダーのグッズは買うことができるのか、 というと、どうも売られている様子もなかった。係員に聞いてみれば、もしかしたら 買えるかもしれないが、多分、売ってはいないだろう。海外の営業所ならともかく、 地元の、しかも「Customer Service Centre」でグッズが買えないのも何か寂しい。 展示も「ここでしかわからない」情報というのもあまりなく、面白くなかった。

展示は面白くなかったが、折角来たので、SQのウェブサイトでも覗いていきましょう か。ウェブサイトがみられるPCは3台あり、それぞれにIEがインストールされている。 PCはいたずらでデータが破壊されたり、不正に使用されないよう、仕掛けがしてある ようだ。アクセス状況も監視しているという。

このPCを利用している先客が数人いたが、様子を見ていると皆、フライトスケジュール やFFPの蓄積マイル数、予約の確認などを行っていた。フライトスケジュールは時刻表 を見ればわかるし、自分はSQの乗客ではないので、今のところはこれらのコンテンツ には縁がない。普段はなかなか読めないプレスリリースを読んでいこう。SQのウェブ サイトは普段、見ようと思えば見ることもできるが、このサイト、とにかくJava Script使いまくりで、Java Scriptの使用頻度を極力少なくしたい私にとっては、面倒 臭いことこの上ない。だから、ブラウザのJava Script機能をoffにしている私にとって は、普段はなかなか見られないのである。

プレスリリースには、TVや新聞は勿論、航空雑誌にも載らないニュースがある。量も 多いので到底、すぐに見きれる量ではない。その中からいくつか。細かい内容は覚えて いないが。

SQ6クルーのその後と補償について

事故の時に乗務していたクルーは今もなお、あの時の恐怖が離れず、苦しんでいる人が多いらしい。精神的ダメージが大きく、まだ乗務には復帰していないそうだ。PTSVの症状だろうか。いくら、非常時に対する訓練を重ねたクルーといえども、現実に事故を目の当たりにし、命の危機に晒されたとしたら、その時の恐怖が頭から離れないのも無理はない話だ。SQは殉職したクルーの遺族に対しては補償金を払ったそうだが、生き残ったクルーにも補償金を払っている、という内容。

SQ6クルーがいつ乗務に復帰できるかはわからないらしい。

CAのための「安全靴」の話

SQのスチュワーデスは普段はサンダルを履いているが、離着陸時には靴を履き換えるようにした、という話。写真等は掲載されていなかった。これも、SQ6便事故の教訓だろうと思う。

8/1シカゴ就航

これは、SIAホップオンバスの車体にも大きく広告を出している。私は、このシカゴ就航は街中を通りすぎて行くSIAホップオンバスを見て知った。

ちなみに、時刻表によれば、シカゴ便のフライトスケジュールは以下の通り。使用 機材はB777だそうだ。

    SQ36  SIN-AMS  23:35/ 6:40
          AMS-ORD   8:40/10:15  (月水金 運航)
    SQ35  ORD-AMS  19:55/11:00
          AMS-SIN  12:10/ 7:00  (火木  運航)
          ORD-AMS  19:55/11:00
          AMS-SIN  12:40/ 7:30  (土  運航)

早くホテルに戻るつもりが、いろいろ寄り道してしまった。雨のことなど、すっかり 忘れていたが、植物園からの帰り道で1度降られた以外は、その後は曇ってはいたもの の、雨に降られることはなかった。

ホテルに戻ってから夕方まで何をしていたかは覚えていない。居眠りしていたかもしれ ない。

晩ごはんのお時間です

夕方も近くなった。そろそろ、食事のことが気になる時間だ。何かないかとガイドブッ クを広げていたところ、Scotts Shopping Centre地下のフードコートにCountry Chicken というチキンライスのおいしい店があるという。写真も出ていたが、おいしそうだ。
ここからも比較的近い。チキンライスに目のない私は行ってみることにした。
場所は比較的わかりやすいところにある。入口がすぐにはわからなかったが、よく探す とちゃんとある。

フードコートはホーカーズと並んでシンガポールを代表する庶民のレストランである。 食べられる料理の種類も多く、格安で、気軽に入れる。私のような1人旅の人間にと っては強い味方だ。夕食(?)を取る現地人で賑わっていた。

目的のCountry Chickenであるが、どこを探しても見当たらない。ガイドブックの情報 が古かったようだ。チキンライスを扱っている店は他には見当たらなかったようだ。 チキンライス以外、何を食べたいかよくわからなかった。以前もフードコートでロー カルフードを買って失敗しているし。日本料理のフードコートもあったが、特に食べ たいとは思わなかった。

結局は、中華料理のフードコートで食べることになった。ここは、ライス+各種おかず で、おかずはアラカルトで選択できるようになっている。圧倒的に汁のかかったもの が多い。これとは別に、ワン・チャイ Fried Rice(綴りは忘れた)があった。 これはチャーハンである。チャーハンならまず、私の口にも合うだろう。これを注文 することにした。値段は$3.50。

そのワン・チャイ Fried Riceの味は、非常においしい。味付けは日本のチャーハンと 大差はなく、日本人の口にも合うと思う。アメリカでタイ米のチャーハンを食べておい しいと思ったが、やはりタイ米はチャーハンには合っていると思う。1人前の量も、少 なすぎることはなく、空腹を満たすには丁度いい量だ。

ガイドブックではまた、トロピカルフルーツの生ジュースについても出ていたので、 試してみることにした。本当はフルーツの王様、ドリアンを試してみたかったが、どこ を探しても見当たらなかったので、ジュースになった。ドリアンは独特の臭みがある、 というので好き嫌いのある果物と言われている。さまざまな旅行記で話題になる果物だ が、日本では高額な食べ物だし、そう簡単に食べられるものではない。 フードコート内にジューススタンドがあったので、そこで飲んでいった。種類はいろ いろあったが、とりあえずは何が良いかわからないので、マンゴージュースにトライ する。$3と比較的高めだが、ボリュームは結構ある。飲みごたえ十分だ。
味は、ほんのり甘く、コクもあるがくどくない。非常においしい。ワン・チャイ Fried Riceが油っこかったので、口の中がさっぱりした。

その後は高島屋の上にある紀伊国屋で立ち読みをした。日系の書店らしく、英語、中国 語の本だけでなく、日本語の本も多く売られている。目的はLondon AtoZのような、シン ガポールの詳しい地図を探すことだった。ホテルやショッピングセンターの案内所で観 光地図は無料で貰えるものの、このような地図は細かな通りが省略されていることもあ るからだ。だが、London AtoZのような詳細地図は見当たらなかった。

目についたのは、漫画、そしてその描き方についての本とシンガポールについての本だ った。しかも、その漫画の描き方は日本語版も売っていた。日本人以外、買う人がいな いのでは、とも思うが。

ホテルに戻った頃は、もう暗くなるか、という頃だった。ちなみに、シンガポールの 日没は19時ぐらい。シャワーを浴び、荷物の整理をやった。あともう1日あるが、それ にしても短い滞在だった。当初のノルマは達成できたが、思った以上にシンガポールの 滞在は快適で楽しかった。本音を言えば、まだ帰りたくない。明日は独立記念日。行け たら独立記念日の催し物も行ってみたいし。

さて、明日はどこへ行こうか?まだ、決めていない。


航空旅行記目次
2001年 シンガポール(4/8)
2001年 シンガポール(6/8)