2001年 シンガポール(7/8)

Date
2001.8.9
Flight No.
CX2074
Aircraft Type(Registration No.)
B777-367(B-HNJ)
Route
SIN-HKG

楽しかったシンガポール滞在も終り、とうとう日本へ帰らなくてはならない時が やってきた。実際は家に帰るまで楽しい遠足は続いているのだが、帰る時となる と、何か寂しさも感じる。

チェックインの目安となる出発の2時間前までは十分時間があるが、特に何もす ることがないので、チェックインだけはしておこう。今は混雑する時期だろうし、 オーバーブッキングに引っかかるかもしれないから。

掲示に示されている便毎のチェックインカウンタを確認し、カウンタのある場所 に行ってみたところ、誰もいない。NRTと同様、預け入れ手荷物をX線検査機に通 して中に入るようになっている。カウンタには係員はいたが、他社のチェックイ ンカウンタは活気に満ちていたのに対し、CXのカウンタエリアは閑散としていた。 通常なら、受付を行う便名が表示されているが、それがなく、First, Business, Economyといった表示しかない。早過ぎてチェックインを受け付けていないのだろ うか?

とりあえず空港係員に航空券を見せ、チェックインできるのか確認したところ、OK だという。表示はでていないが、一応は受け付けは行っているようだ。そういえば、 チャンギの広告に「Check-In Early and Enjoy Changi」というのがあって、そこに early check-inできる航空会社のロゴが羅列してあったが、CXもしっかりその中に 入っていたが。また、チャンギの情報誌「Changi」によれば、CXのチェックインは 毎日6:30から受付ているそうだ。

中に入れてもらい、一通りチェックインを済ませる。心配されていたストも台風も オーバーブッキングもなかった。例の如く、CX2074とCX504の分2枚の搭乗券を貰っ た。ここでも搭乗券の形態は従来仕様。渡されたCX2074の搭乗券を見て、びっくりし たことがある。搭乗No.が何と1番になっていたことだった!便の出発3時間ぐらい前 の話だが、CX2074のチェックインは私1人しかしていなかった、ということになる。 もしかしたら、乗客は私しかいない??1人ということはないかもしれないが、それ でも数人か?それにしても、今回のフライトはいつもと違うことが多すぎる。

チェックインが終ったので、辺りを散策してみた。外にでると、チャンギの管制塔が 見える。この管制塔もシンガポールを代表する風景の1つとしてよくでてくる。そし て、今日は独立記念日なので、空港前の道路にも国旗をデザインした装飾が施されて いる。

再びチェックインカウンタに話を戻す。何気なく、エリアを歩いていると、懐かしい 便名を目にした。TG414のチェックインカウンタだった。前回のフライトの思い出に 思いを馳せる。あの時はこんなことがあった、待合室にいたあの乗客達は、ここでチ ェックインしたんだろうな、あの時もこのくらいの混み方だったのかな、などと。 団体客がいたかどうかは覚えていないが、X線検査機のまわりは賑やかだった。

さて、CXエリアのその後は、というと、相変わらず閑散としている。入口あたりに行 列を見つけたので、もしかしたらそうかな、と思ったが、それは隣のKEだった。
カウンタの表示はCX711 Jakartaとなった。20:40発の便である。随分と表示を出すの が遅いものだ。これでは、CX2074が表示されていないのも無理はない。

早く空港に着きすぎたせいか、時間はまた腐る程余ってしまった。もし、行けたら、 前々から気にはなっていた展望デッキへ行ってみよう。デッキの場所はすぐわかった。 この展望デッキ、実は屋内で、窓の部分から空港の様子が見えるようになっている。 一杯ではなかったが、お客はそこそこにいた。時間も遅いせいか、LHRのSpectators Viewing Areaにいるような如何にも航空ファン、という人の姿はなかった。長居して も面白い、と思える場所ではなかった。特筆できるものは特にない。

とりあえずは、トランジットエリアに入ろうか。トランジットエリアの入口にはイミ グレがあり、旅客はここでパスポートを提示し、外国人は入国時に返してもらった入 国カードの半券を提出することになる。カウンタのところにはドロップ飴が置かれて いたが、係官は「飴をどうぞ」と言ってくれた。そんなに飴は食べたくなかったが、 1個戴いてきた。イミグレなど公的な機関は威張っている、というのがだいたいの相 場だったが、今回は少し違う。随分とサービスが良い。その時は何も考えず、食べて しまったが、あれは飛行機に乗った時に、航空性中耳炎にならないために出してくれ たものではなかったのかな。空港、搭乗前、きっとそうだ。昔の国内線では離着陸時 に耳が痛くならないよう、キャンディのサービスがあったようだが、近年はコストダ ウンのためか、それをやらなくなってきているという。国際線でもキャンディサービ スをやる会社は、私の知っている限りではない。

もし、このイミグレのサービスが航空性中耳炎予防を意図したものだとしたら、やは り、チャンギ、と思ってしまうだろう。本来、航空会社がやるべきサービスだと思う が、乗客の耳の健康について、そこまで考えてくれているのだから。 あっ、T2にSQのKULシャトル便の航空券自動販売機がある、というので、今後の参考に、 と下見しようと思ったけど、忘れた!

チャンギは旅客のためのさまざまな施設が充実しているようだが、今回はどうもこれ、 というものはなかった。HKGで夜を過ごすことを考えると、これ以上荷物は増やしたく なかったし、免税店といっても、特に買うものもない。土産物屋も覗いてみた。SQ バティックグッズを買おうか、とも思った。シンガポールの土産物屋には必ずある ポピュラーなグッズだが、ここを離れるともう買えなくなる。買うなら最後のチャン スだ。とはいっても、既に生地を買ってしまったし、特にめぼしいものもない。 シンガポールの他、東南アジアの土産物も扱っていた。

特にやることもないまま、ゲートが開くのを待っていた。今回のゲートはD41。この 時は気づかなかったが、実際にその場所に行くと、どこかで見たことのある雰囲気だ。 そういえば、このエリア、いつか来たことがあるぞ...そう、3月のあの、ロンドン からの帰路、TG414に乗ろうとして、この辺に来たんだ!ということは、もしかした ら...

恐ろしい程、勘は当たった。この日、隣のD40ゲートはやはり、TG414に割り当てられ ていた。3月にタイムスリップしたような気分だ。勿論、そこにいる乗客もTG414に 乗務する乗員も、シップも違うだろうが、自分の乗った便がそこにある、というのは 非常に懐かしさを感じる。まして、このフライトは印象に残っているから。あの時の 思い出が鮮明に甦る。タイ人かどうかはわからないが、東南アジア系の乗客がこの日 もたむろしていた。

さて、今回の搭乗便CX2074であるが、ゲートオープンの予定は21:05。D41付近のベン チにも何人か乗客が座っていた。この人達はCX2074の乗客かと思われたが、他の便の ゲート案内が入ると、そそくさといなくなってしまった。普通なら、ゲートが開く前 には乗客がたむろしているものだが、その姿も見られない。一体、どうなっているの だ???

ゲートが開いた。特に慌てる必要もないので、のんびりしながらセキュリティチェッ クを受け、待合室に入ったが、私が入った時は数人しか乗客がいない。ゲートオープ ンの時点で数人だったものが、出発時に百人単位に増えるとは考えられない。その後、 乗客数は増えはしたものの、最終的には十数人しか集まらなかった。往路のCX2073同 様、これだけは非常にミステリアスだ。深夜1:50到着、というのは、本音を言えば、 利用者にとっては厳しい時間帯だ。かつて、TGがKIXからLAX(?)への深夜便を飛ばして いたらしいが、「集客率が悪い」とのこと(かな?)で運休になった、という話を聞い たことがある(現在ではTGのKIX発の深夜便は1:25発のBKK便がある。TG627で、5:50着)。

CX2073のところでも触れたが、「経営上の理由(?)」を理由に、本日のCX2074よりも 当然ニーズが多いであろう札幌やチューリッヒ線を切捨ててきたCXが、敢えてこのよ うなフライトを飛ばすのは何故だろうか?このフライトを設けるに当たり、このよう な事態は予想できた筈のように思える。謎は深まるばかりだ。

しかも、CXの路線の特徴が、なるべく乗り継ぎでの待ち時間を少なくして接続性を良 くしようとしているようだが、この2073/2074だけはどこか異質で、これらのフライト に効率良く乗り継げるように、というものはない。勿論、乗り継ぎはできるが、6時 間も7時間も待ち時間2073/2074に限らず、20xxシリーズ全体がそうだ。

乗客にとっては、利用できる選択肢が増えるので、実に勇気ある選択だと思うが、 このままではこのフライト、なくなってしまうのではないか。20xxシリーズがなくな るのは、非常に辛い。

待合室にはTVが置かれていて、独立記念日の特集番組を放送していた。内容的にはなか なか興味ありそうなものだったが、搭乗開始までの時間までである。そうじっくりとは 見られない。周りの乗客達を見たが、いずれも個人客で、ツアー客と思われる人はい ない。日本人(と思われる人)もいなかった。

機内に入る。今日のシップは往路のCX2073と同じ機種の777-300。後で知ったのだが、 当機のレジは、B-HNJ。そういえば、このレジ、どこかで聞いたことがある。何と、 昨年の1月のロンドン行きの復路で、CX500として搭乗していた機材だった!思わぬ ところでの再会だ。

やっぱり、最終的には言うまでもなく、ガラすきの機内だった。チェックインの際、 「窓側にしますか?」と聞かれたので、通路側にしてくれ、とお願いしたのだが、 こんなことなら窓側にすれば良かった。通路側にした意味がない。

フライト中のサービス、様子はCX2073と特に変わったものはない。アメニティグッズ の袋が他の航空会社の場合と同じ、普通のビニール袋に入って、簡略化されたことぐ らいである。機内食はチョイスがあったかどうかは覚えていないが、リフレッシュメ ントにしては、グレードはCX2073同様、かなり高い。フルーツもあった。私はタイラ イスとあんのかかった中華のおかずを主菜としたが、鼻につく匂いは仕方がないにせ よ、不思議なことに、おかずにかかっているあんとご飯を和えて食べると、なかなか いける。匂いもさほど気にならなくなる。そういえば、シンガポールのフードコート にあった中華コーナーでは、みんな、ご飯とあんのかかったおかず数種を取り合わせ て注文し、ご飯をあんと和えて食べていたが、タイライスの白飯は、本当はこうして 食べるものなのかもしれない。よく、タイライスは臭い、ボソボソ、まずい、という が、日本米と同じ食べ方をしてはいけないだろう。

エコノミースリーパーが気兼ねなくできる貴重な機会だし、香港到着後、徹夜するこ とになりそうなので、肘かけをあげて寝ようと思ったが、落ち着かなくて全然眠れな かった。辺りは皆、気持良さそうに眠っていた。

搭乗時に依頼していたフライトレコードが戻ってきた。特に何も言わなくても、いろ いろとメッセージを書いてくれるのは、非常にありがたいことだし、それだけでも宝 物になるのだが、その中で1つだけ気になったことがあった。為書をしてくれたクル ーがいたが、名前が「Ms Morita」と間違えられた点だった。乗客を喜ばそうと気を 使ってくれたのはわからなくはないが、名前を間違えられるのは気分が良くない。名 前を入れてくれ、と頼んだ訳ではないので、指摘しにくかったが、CAが休憩時間に入 った頃、ギャレーに言って、このことを指摘した。ギャレーでは2人のCAがおしゃべ りに興じていた。当初、私の言っていることが信じられない様子だったが、座席番号 は伝えて搭乗券を見せると、ようやく状況は理解してもらえた。この間違えた宛名は、 彼女が書いたものではないので、修正するのにためらっていたようだったが、笑いな がら訂正に応じてくれた。どうやら、彼女達の上司が書いたものらしい。ちなみに、 降機時、この上司(制服が紫だったから、シニアスチュワーデスか?)が私のところに 来て、名前が違っていたんだって、と話すので、「私は○○です。Ms. Moritaではあ りません。」と一言言ったが。

折角だから、記念に写真を撮ってもらうことにした。が、CA1人ずつと一緒に撮った が、最初、フラッシュの使用法がわからず、1枚はフラッシュなしになってしまった。 案の定、その1枚は何も写っていなかった。日本ではポピュラーな写るんですも、海 外ではまだ浸透していないのだろうか?あの時、フラッシュ入りの状態でもう1度撮 ってもらえば良かったが、全然気がつかなかった。しまった!従って、1人しか撮れ ませんでした。

このことをきっかけに、彼女達と少し話することができた。このようなサインを集めてどうするの?ということに始まり、帰りのフライトの話など。

乗り継ぎ便がCX504になっていることに気づいた彼女らは、「待ち時間はどうする?」 と案の定、聞いてきた。空港で一夜を明かすことを言うと、トランジットホテルが使 えること、また、$250(多分、香港ドル)でThe Wingが使えることなどを教えてくれた。 自分は覚悟を決めていること、朝食の準備もしてあることも言ったが。確かに、空港 のベンチで一夜を明かすなど、勧められるものではない。しかも、女性1人が。

The Wingでは朝食もあるし、シャワーもあるそうだ。でも、そんな中にいたら、深い 眠りに着いてしまって、果たして次のフライトに間に合うか、自信がない...快適す ぎて。

ここで、私から疑問に思ったことを質問した。

Q.今日のフライトはあまりにも乗客が少ないが、いつも、こんなに少ないのか?
A.通常の777-300のフライトでは、Cクラス80人、Yクラス287人が定員だが、本便はDHL フライトなので、乗客数が限られている。
Q.DHLフライトって、何?
A.貨物便と考えて欲しい。

なるほど、そうだったのか!これで、今までこの20xxシリーズに対して持っていた謎が 解けたような気がする。つまり、この20xxシリーズは「貨物」便だから、予約できる席 数も限られているし、一般の旅客が都合の悪い時間帯にフライトがあるのだろう。乗客 数が今回のように少なくても、貨物輸送で採算は取れているのかもしれない。主体は乗 客でなく、貨物なのだろう。HKGでの駐機場がヘンピな場所にあるのも、わかるような気 がする。

DHLといえば、もしかしたら、有名な手荷物などの運送会社のことだろうか?もし、ここ で言うDHLがそれを意味するのであれば、20xxシリーズがコードシェア便に扱われている のもわかるような気がする。DHLは貨物輸送にこれらのフライトを使い、運航会社のCXは 旅客輸送(貨物もある?)に使う、ということのようだ。CXがこのようなフライトを設け た背景はわからないが、深夜便は集客率が悪いことから、設置されない/あっても、廃 止される、といったことのようだったが、夜出て朝に着いた方が都合が良い、という ニーズも確かにある訳である。純粋な旅客便が無理なら、貨物便を生かしてこのような フライトを設けるこの姿勢は、高く評価したい。素晴らしいと思う。どうして、今まで なかったのだろうか?

この20xxシリーズ、シンガポールの他、台北、関空があるが、関東人としては、成田にも是非、欲しいところである。
ちなみに、このフライトの乗客数は17名。

本機の飛行高度を見たら、41000ftにも到達していた。私の知る限りでは、ロングフラ イトの最終フェーズでも、せいぜい39000ftが最大で、40000ft以上になることなど滅 多になかった。航空機の性能を生かすには高い高度を飛んだ方がいいらしいが、 40000ftを超えるとパイロットのうち、1人は常に酸素マスクを着けてなくてはいけな いので、普通は39000ftぐらいが上限になるそうだ。ある本によれば、圏界面に近い高 度では空の色が違うという。空の色が濃くなり、上方は紺色、そして、水色の空は下 の方になるという。その高度がほぼ40000ftだという。ただ、圏界面の高度は大気の対 流の盛んな低緯度地帯では高く、高緯度地帯では下がるそうだ。ただ、40000ftという 数字は日本の国内線のフライトルポの中ででてきたものなので、あくまでも日本での値 、CX2074のような低緯度地域の飛行では当てはまらないかもしれない。

昼間ならこの記述に出てきた紺色の空が見えたかもしれないが、夜なので、どう違う のかは確認できなく、残念だ。39000ftまでの空と大して違いは見受けられなかった。

香港到着後、再びあのはずれのヘンピな駐機場からバスに揺られる。ターミナル到着 後、バスの乗客は全員イミグレの方に向かっていった。この時間、イミグレのカウン タも1〜2か所しか開いておらず、他のカウンタには誰もいない。17人のうち、香港 に入国しなかったのは私だけだった。CX2074から別のフライトに乗り継ぐ人も、恐ら く私だけだったと思う。この分では。
到着ゲートは、方角からして多分、3番か4番ゲートだったような気がする。

香港に入国するグループから別れた私は、夜を安全にかつ、少しでも快適に明かせそ うな場所を探そうと、到着フロアをさまよっていた。が、至るところにベンチはある が、横になることのできそうなベンチはなかなか見つからない。旅の疲れも溜ってい るし、一晩歩きまわることなど不可能だ。出発ロビーへ行っても、休憩できる場所は あるかどうかわからない。

到着ロビーには香港の観光案内パンフがあちこちに置かれている。そういえば、ここ のところ香港へは何度も来ているものの、トランジットばかりなので、香港の街へは 行っていないんだなぁ。そろそろ、トランジットではない目的で香港に来ましょうか ね。

トランジットホテルの案内所も確かにあった。ここで受け付けもできるのだろうが、 この時間、誰も係はいない。
到着便のバッゲージカウンタを示す電光掲示板は関空からのCX2053と当便だけになっ ていた。まさに、香港着の最終便だった。

トランジットカウンタ(T1トランジットカウンタか?)そばに、ベンチが固まってある 場所があった。そこのベンチは3人がけだったが、肘かけは両端しか着いていない。 フライト案内のTVモニタもすぐそば。休めそうな場所はここしかないだろう。既にバ ックパッカー風の旅行者が何人か、横になって眠っている。若者ばかり。私と似たよ うなことを考えているようだ。

男ばかりではなく、1人旅の女性も眠っている。たくましい。この人がどう、という ことはないが、1人旅の女性がいることは随分心強いと思う。ここしか居場所がない。 私は、ここで一夜を明かすことにした。2時半過ぎのことだったか。

電光掲示板はもう、翌朝の到着便の案内を示している。私の頭の中はまだ夜中だが、 この時点でもう、翌朝の案内を出すとは、早い。近場の路線もあるが、長距離便が結構 目立つ。CXのアンカレッジ経由便もその中にあった。かつて、アンカレッジは日本発の 欧州便の典型的な経由地だった。欧州便以外にも、近年は直行便が主流になり、経由便 が少なくなる中で、このアンカレッジ経由便は貴重な存在だろう。アンカレッジはテク ニカルランディングだという。このような希少なフライトには是非乗ってみたい、と 思うのが航空ファンの習性だろうが、香港経由でトロントに行くと、結局は通し計算で きず、とんでもなく高く高くなりそうだし...oneworld exploerで世界一周でもしない 限り、無理なんだろうな。

留守番してもらっている親のことを思い出す。このようなスケジュールを組んでしまっ て、さぞかし怒っているだろうな。心配をかけすぎてしまっただろう。と同時に、呆れ つつも、許可をくれた親に申し訳なさと感謝の気持がでてきた。自分で選んだルートと はいえ、強い孤独感とわびしさを感じた。。親は子供がいくつになっても、心配してく れているのだが、こうして1人でわびしい時を過ごして初めて気づくものなのかもしれ ない。たくさん迷惑をかけて、ごめんなさい。そして、ありがとう。

最初のうちは、横に寝そべってDiscoveryやシンガポールの地下鉄の駅でもらった新聞 を読んでいたが、そのうち猛烈な睡魔が襲ってくる。とうとう眠ってしまった。 最終便はやはりCXだった。2053便と2073便が出発してしまうと、HKGは短い眠りに着く。 CX2053/2073のラストコールが終ると、静寂がやってくる。そんな中、私達が 寝ているベンチのそばはCX社員と空港係員、警備員が時おり通りすぎていった。

この晩、私は不思議な夢を見た。眼下には雲の絨毯が敷き詰められ、真っ暗な中、月が 煌々と辺りを照らしている。雲は月に照らされ、濃い灰色。その中をブラッシュウイン グに私がまたがって飛んでいる、というものだった。私の服装も、今着ているものと全 く同じ。空を飛んでいる私以外は誰もいなかった。そして、この空はB-HNJ機から見た 夜空と本当にそっくりだった。CXやHKG絡みの夢は何度か見たが、まさか、ご当地のHKG でこんな夢を見るとは思わなかった。因縁めいたものを感じる。あの夜空はCX2074で見 た空だったのだろうか。


航空旅行記目次
2001年 シンガポール(6/8)
2001年 シンガポール(8/8)